図1 無線タグの利用例
図1 無線タグの利用例
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 日立製作所は,無線タグ(RFIDタグ)を使ったトレーサビリティ事業を本格的に展開していくと発表した。今後,2010年度までの累計売り上げ目標は1800億円,2010年度の単年の売上高としては800億円とする。電子機器や自動車,食品など業界ごとに資産管理や入退出管理などの業務に応じたシステムを提供する。

 今回,日立製作所が無線タグ事業の本格展開に踏み出したのは,過去5年間で無線タグに関するノウハウが蓄積できたためとする。同社は2001年に2.45GHz帯を通信周波数に利用する無線タグ「ミューチップ」を開発して以来,さまざまな無線タグの実証実験に参加してきた。自社内でも無線タグの使いこなしのノウハウを確立してきた。例えば,プリント基板の製造ラインを持つ同社の大みか事業所では,2004年12月から無線タグを使った工程管理を行っている(図1)。生産性が20%向上し,リードタイムを20%削減することに成功しているという。

 トレーサビリティ事業の本格展開に合わせて,日立製作所は「日立トレーサビリティ・RFIDフォーラム」を立ち上げた。同フォーラムには日立グループ会社20社が名を連ね,無線タグを利用した事業を開発するために各社のノウハウを集約するという。このフォーラムでは今後,日立グループ以外の企業にも参加を呼び掛ける予定で,無線タグ事業のさらなる拡大を図りたいとする。