HDDと接続した左の送信モジュールから,右のノート・パソコンに映像を送信した
HDDと接続した左の送信モジュールから,右のノート・パソコンに映像を送信した
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 富士通は,ノート・パソコンに内蔵するアンテナ・モジュールを試作し,UWB(ultra wideband)技術を用いた無線伝送規格「Certified Wireless USB(以下WUSB)」で映像を受信するデモを「COMPUTEX」で見せた。

 WUSB送受信モジュールには,米Staccato Communications,Inc.の「SC3500」シリーズを採用した。同モジュールの最大データ伝送速度が480Mビット/秒。富士通は,ファウンドリとしてStaccato社の送受信LSIを委託生産するほか,同モジュールの販売も担う。

 SC3500シリーズは,RFトランシーバ回路とベースバンド処理回路,MAC制御回路,水晶発振子,整合回路,帯域通過フィルタなどを統合したモジュールである(Tech-On!関連記事1)。受動部品はLTCC基板に集積する。同モジュールは,台湾AboCom社をはじめ台湾メーカー4社が採用を決めている(Tech-On!関連記事2)。USBインタフェースに挿入して用いる,いわゆるドングル形式を採るWUSBの送受信機器が2006年10月~12月に登場しそうだ。「台湾メーカーは,チップの提供から3カ月足らずで試作,量産までこぎつける。そのスピードはすごい」(富士通の説明員)。日本での採用については,UWB無線の解禁が遅れていること,一般に日本メーカーは無線機器の性能試験に時間をかけることから,「2007年末からの採用になるのでは,と考えている」(説明員)。