台湾の大手AV機器メーカーであるベンキュー（明基電通公司）は2006年6月5日、「COMPUTEX TAIPEI 2006」に先立ち報道関係者向けに説明会を開催。COMPUTEXに出展予定の製品を披露した。
地上デジタル放送の視聴機能を備えたノートパソコン、高精細の液晶ディスプレイ、Blu-ray Disc（BD）の記録再生が可能な光ディスクドライブ、Windows Mobile 5.0を採用した携帯電話機、高速データ通信が可能な携帯電話機などである。これら多岐にわたる新製品を自社ブースで一挙に展示する。
ノートパソコン「Joybook S61」（写真1）は、欧州の地上デジタル放送規格であるDVB-Tに準拠のチューナー回路を内蔵。欧州のほか、DVB-Tを採用している台湾や東南アジア各国に向けて発売する。台湾では5万台湾ドル（1台湾ドル＝約3.5円換算で17万5000円）で発売済み。内蔵バッテリーを含め重さ1.8kgと軽量なのも特徴。
液晶ディスプレイ「FP241W」（写真2）は、24インチで1920×1200ドットと高精細。「世界で初めてHDMI端子を備えたパソコン用液晶ディスプレイ」（同社）と言う。説明会場では、パソコンと接続して1080pの映像を表示するデモを実施した。
「BW1000」（写真3）は、デスクトップパソコンの内蔵用光ディスクドライブ。最大2倍速でBD-ROM/-R/-REの読み書きができるほか、DVD-RAMを除くDVD/CDの各種メディアの読み書きが可能。「オランダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクスとの共同開発による製品で、光学系部品などをフィリップスから調達し、当社が組み立てた」（ベンキュー 董事長の李焜耀氏）と言う。
「P51」（写真4）は、組み込みOSにWindows Mobile 5.0を採用した、いわゆるスマートフォン。メールソフトや文書作成ソフト、PowerPointビューワーなどに加え、インターネット電話ソフト「Skype」もプリインストールする。無線LANはIEEE802.11b/gに対応。ベンキューは独シーメンスの携帯電話機部門を買収しており、両社の社名を冠した「BenQ-Siemens」というブランド名で発売する。
「EF91」（写真5）は、W-CDMAのHSDPA規格による高速パケット通信が可能な第3世代携帯電話（3G）端末。消費電力を抑えるため、照度センサーを内蔵し画面の明るさを自動調整するなどの技術を盛り込んだ。「欧州市場で3Gサービスを展開する通信事業者はHSDPAに積極的な姿勢を見せており、EF91も欧州市場で2006年7月～9月にも出荷する予定」（ベンキュー説明員）と言う。
残念ながら、P51もEF91も当面日本での展開予定はない。
【訂正】
記事公開当初，写真3の「BW1000」について「独シーメンスとの共同開発による製品で、光学系部品などをシーメンスから調達し」としておりましたが，共同開発および光学部品の調達先はオランダRoyal Philips Electronics社でした。お詫びして訂正いたします。
「COMPUTEX TAIPEI 2006」については，パソコンのビジネス活用情報をお届けする日経パソコン オンラインでも報道中です。
