米Atheros Communications,Inc.と米Broadcom Corp.は,2006年5月31日,次世代無線LAN規格「IEEE802.11n」のドラフト仕様に準拠したチップにおいて,相互接続性を確立したことを発表した(Atheros社の発表資料Broadcom社の発表資料)。両者はマルチ・ベンダ間での相互接続性確保をアピールすることで,パソコンや周辺機器メーカーに採用を働きかける狙い。両者は,2006年6月6日から台北で開催される「COMPUTEX TAIPEI 2006」で相互接続の実演を行う予定。

 相互接続性の試験に用いたチップセットは,Atheros社の「XSPAN」とBroadcom社の「Intensi-fi」。IEEE802.11nのドラフト案の必須項目において,データ伝送の試験を行った。最大データ伝送速度が100Mビット/秒を超えるモードにおいても,相互接続性を確保しているという。

 IEEE802.11nのドラフト仕様はまだ審議中であり,最終的に決定しているわけではないが,仕様の大枠は固まっている段階にある。11n作業部会の関係者によれば,現在ドラフト仕様案に寄せられた多数のコメントについて審議している状況にあるという。「11nは多数のオプション仕様があるためか,寄せられたコメントも膨大で,1万2000件を超えた」(作業部会の関係者)とする。仕様が固まり,最終的に標準化がまとまるのは2007年後半ころになる見込みとしている。それに先んじる格好で,ドラフト仕様準拠の製品は今後も複数のメーカーから登場することになりそうだ。