ペンタックスは,従来より気孔率を格段に高めたハイドロキシアパタイト骨補填材料「アパセラム‐AX」を開発,2006年6月8日から販売を開始する。同骨補填材料の特徴は,気孔を制御したことにより,細胞組織が浸透しやすく骨組織が早く再生/修復するようになった点。このため用途が従来のハイドロキシアパタイト骨補填材料の「欠損部の補填」に加えて「骨再生」や「機能再建」にまで広がり,多様な部位や症例に適用できる。

 新しいハイドロキシアパタイト骨充填材料の気孔率は世界最高レベルの85%で,これは同社の従来品より25ポイント以上高い。これまでの気孔構造制御技術を改良したり新たに独自の製造プロセスを開発したりして実現した。気孔率が高い上,直径50~100μm程度の連通気孔を持つため,骨芽細胞などの細胞組織が内部に浸透しやすくなった。気孔内壁面が多孔質であることから細胞の接着性に優れ,従来品より早く骨組織が再生/修復する。加えて,気孔を均一分布に制御したことで,高気孔率ながら手術時の操作に耐え得る十分な強度を確保した。骨組織が再生すれば,強度はさらに向上する。