Nike社の「Air Zoom Moire」とNike+iPod Sport Kit対応のiPod nano
Nike社の「Air Zoom Moire」とNike+iPod Sport Kit対応のiPod nano
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 米Apple Computer, Inc.と米NIKE, Inc.は,Nike社の運動靴やスポーツウエアと,Apple社の携帯型音楽プレーヤー「iPod」を組み合わせた「Nike+iPod」と呼ぶ製品群を共同開発する(発表資料その1)。第1弾となる製品は,「Nike+iPod Sport Kit」と呼ぶ製品で,Nike社の運動靴に装着するセンサーとiPod nanoに直結しセンサーからの信号を受け取る無線受信機,iPod nanoで動作するソフトウエアから成る。Nike+iPod Sport Kitの定価は29米ドルで,6月末頃に発売する予定である。日本の発売時期は2006年9月になる。Nike社は,Nike+iPod Sport Kitに対応した「Air Zoom Moire」と呼ぶ運動靴を発売する(発表資料その2)。定価は100米ドル。

 センサーは左足の靴底に用意された専用ポケットに差し込んで使う。2.4GHz周波数帯を採用する独自プロトコルの通信方式で,iPod nanoに接続した受信機にデータを転送する。,iPod nanoの画面で運動に関するメニューを選択できる。例えば,「設定された時間だけ走る」を選択するとiPod nanoはセンサーからの情報を分析し,現在までの走行時間,消費したカロリーなどの情報を液晶パネルに表示する。音声によって「今まで1キロを走った」といった情報をユーザーに通知する機能も備える。

 Apple社によると,Nike+iPod Sport KitをiPod nanoだけに対応させた理由は,小型でスポーツに向いているからという。

サービスとコンテンツにも連携する


 Nike社とApple社は,オンライン・サービスとコンテンツの提供でも連携する。例えば,iPod nanoをパソコンと接続すると運動のデータをApple社の「iTunes」経由で,2006年7月13日からNike社が運営する「Nike+ Experience」と呼ぶWWWサイトに転送する。このWWWサイトでは,ユーザーが自分の運動履歴を分析することができる。さらに同サイトを通じて50人までの競争相手の情報を見ることで,互いに競い合うこともできる。

 コンテンツについては,iPod nanoに集積した楽曲データからユーザーが元気を出す「PowerSong」の設定をできるようにする。運動中にユーザーがiPod nanoを操作すると,あらかじめ設定されたPowerSongをその場で再生する。Apple社のiTunes Music Storeにも,「Nike Sports Music」のセクションを用意する。ここで運動に合わせた音楽やプレイリスト,スポーツ選手が用意した音楽のプレイリストと運動のやり方を指示する音声データなどのコンテンツを提供する。

 Nike社は2006年秋にNike+iPod対応に対応した6種類の運動靴を発売する予定である。それ以外に,Nike+iPod向けに上着やアームバンド,短パンなどのスポーツウエアを発売する企画もある。

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Nike+iPod Sport Kitの箱。箱の左に表示している部品はセンサー,右側に表示しているのは受信機。
Nike+iPod Sport Kitの箱。箱の左に表示している部品はセンサー,右側に表示しているのは受信機。
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iTunes Music Store内の「Nike Sport Music」セクション
iTunes Music Store内の「Nike Sport Music」セクション
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