米TechnoConcepts Inc.は,2006年5月23日,送受信する周波数を自在に切り替えられる無線チップセットを発表した(送信チップの発表資料,受信チップの発表資料

 450MHz~6GHzの周波数に対応しており,同周波数を利用する携帯電話や無線LANなど各種無線サービスをわずか2チップで送受信できるという。このチップセットを使えば,1組のRF回路で各種の無線サービスを利用する,いわゆるソフトウエア無線機を実現できるとしている。2006年第4四半期からサンプル出荷を開始する予定で,2007年第1四半期には量産出荷する計画である。

180nmのSiGeを使う


 発表したのは,送信用チップである「TC-TX1000」と受信用チップの「TC-RX1000」。TechnoConcepts社はこれまでにも同種の技術を開発中であることを発表しており,個別部品を使った動作の実演や学会発表などを行っていた(Tech-On!の関連記事)。しかし実際にチップセットの出荷時期を明らかにするのは今回が初めて。同社によれば,携帯電話サービスの基地局装置での利用のほか,携帯端末,車載機器などへの搭載を目指しているという。

 二つのチップは,いずれも10mm角で,88ピンのMLFに封止する。製造は,米Jazz Semiconductor社の180nmのSiGeプロセスを使う。チップ設計や評価には,米Agilent Technologies社のADSを用いている。