Bluetoothの仕様策定を進める業界団体「米Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)」は,医療機器に向けたBluetoothプロファイル策定に向け,新たな作業部会を設立すると発表した(発表資料)。名称は「Medical Devices Working Group」。2007年前半までに医療機器向けの専用プロファイル「Medical Device Profile」を策定する方針である。

 同作業部会の目的は,医療機器と携帯電話機やセットトップ・ボックス,パソコンなどのデジタル機器を相互に無線で接続する際の,接続手法を定めたプロファイルを定めることにある。Bluetoothの無線接続機能を備えた医療用機器は既に発売されているが,メーカーごとに異なる上位仕様を利用しているため,互換性が確保されていない例が多いという。作業部会はこの際の接続仕様を共通化することで,異なるメーカーの機器でも接続できるようにすることを目指している。

 Medical Device Profileでは,医療機器以外にもスポーツやダイエットなどの際に健康状態をモニタリングする用途も対象にしている。Medical Devices Working Groupが想定する利用法は例えば,毎日定期的に薬を飲んでいるユーザーに対して,薬を飲む時間を携帯電話機やパソコンを使ってユーザーに知らせたり,もしも薬を飲まなかった際には,その報告を医師などに伝えるなどである。このほか,血液の状態やコレステロール値などを測定できる機器にBluetoothを搭載し,こうした情報を無線を使って測定装置や,携帯電話機を経由して遠隔地の医師など伝える用途を想定している

 Medical Devices Working Groupには,米IBM Corp.や米Intel Corp.,米Motorola, Inc.のほか,医療機器の開発メーカーである米Nonin Medical, Inc.,オランダRoyal Philips Electronics N.V.,米Welch Allyn, Inc.など19社が参加している。