アルプス電気の2005年度決算(2005年4月~2006年3月)は2ケタの増収増益となった。売上高は対前年度比10.3%増の7096億1300万円,営業利益は同46.3%増の454億7100万円である。

 電子部品部門の売上高は対前年度比6.6%増の4125億円,営業利益は同92.9%増の284億円だった。大幅な増益は,為替が円安に振れたことや海外現地法人の増益などによるものという。この部門の増収に貢献したのは,前年度から3割近い増収となった磁気デバイス事業。ハード・ディスク装置(HDD)の採用市場が広がったことやそれら市場の好調により,HDD用ヘッドの売り上げが大きく伸びた。

 車載電装事業も日本や欧州における新車販売の好調を受けて,売り上げを17%伸ばした。コンポーネント事業も,携帯電話機や携帯型音楽プレーヤ向けのスイッチやコネクタが好調で14%の増収である。一方,情報通信事業は,中国におけるPHS市場の縮小を背景としたPHSモジュールの販売減などが響き,8%の減収となった。ペリフェラル事業では,携帯電話機用のカラー液晶表示素子が顧客のモデル切替の影響を受けて売り上げを減らし,こちらも8%の減収である。


図●2004~2005年度における電子部品部門の事業別売上高(半期ベース,単位=億円)

 同社子会社のアルパインが手掛ける音響製品部門の売上高は対前年度比15.7%増の2511億円,営業利益は同4.7%減の96億円である。iPodと接続できるCDプレーヤの売り上げが好調だったことや,カーナビの純正装着率が上昇したこと,顧客である自動車メーカーの新車販売が好調に推移したことなどで,2ケタの増収となった。営業減益については開発投資がかさんだためとアルパインは説明する。

 2006年度(2006年4月~2007年3月)の業績については,売上高7100億円(対前年度比0.1%増),経常利益310億円(同33.2%減),当期純利益130億円(同31.1%減)を見込んでいる。

■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。