2006年6月に発売予定の新型軽自動車「ステラ」
2006年6月に発売予定の新型軽自動車「ステラ」
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 富士重工業の2005年度(2005年4月~2006年3月)の連結決算は,売上高が前年度比2.1%増の1兆4764億円と過去最高を記録し,営業利益が同38.8%増の583億円,純利益が同14.4%減の156億円だった。なお,純利益には早期退職者募集による712人の割増退職金79億9100万円をはじめ,米General Motors社との共同開発車の中止による損失36億円,Liイオン2次電池メーカーであるNECラミリオンエナジーの持分売却による損失22億5300万円などの特別損失273億4700万円を計上している。

 2004年度に対する営業利益の増減については,増益要因として為替レートの差が132億円,原価低減が128億円,諸経費などの削減が86億円,試験研究費の削減が61億円あった。減益要因としては,国内での「レガシィ」の販売台数の減少など売り上げ構成の差などが244億円あった。その結果,2004年度に比べて163億円の増益となっている。

 自動車の販売台数は,前年度比1.8%減の57万1000台。そのうち,国内は同9.4%減となる23万台で,登録車(軽自動車を除く自動車)が9万8000台,軽自動車が13万2000台だった。海外は前年度比4.2%増となる34万1000台。北米はレガシィの販売台数が減少したことや,GMグループのSaab社からの受託生産が大幅に減少したたものの,「インプレッサ」や2005年6月に発売した「B9トライベッカ」の販売増加により前年度比0.2%減の21万台を確保した。

 欧州は「フォレスター」が好調に推移する中,特にロシアと北欧などでの販売が伸びて前年度比7%増の6万5000台となった。その他の地域は,オーストラリアで販売台数が増えたことなどにより同17.4%増の6万7000台となった。

 今期(2006年度)の業績予想は,売上高が2005年度比5%増となる1兆5500億円,営業利益が同5.9%増の500億円,純利益が同92.2%増の300億円を見込む。特に純利益は,2004年度や2005年度のように特別損失を計上する予定がないことから大幅な増益を想定している。

 販売台数は2005年度比6.9%増となる61万1000台を計画する。国内の販売台数は,レガシィの一部改良をはじめ,2006年6月に新型軽自動車「ステラ」を投入することなどにより,2005年度比14.5%増の26万4000台(登録車9万7000台,軽自動車16万7000台)を予定。海外は同1.8%増の34万7000台を計画。北米で22万台,欧州で6万5000台,その他の地域で6万2000台を販売したいとしている。

 今期の計画には,同社の米国インディアナ州にある生産拠点「SUBARU of INDIANA AUTOMOTIVE, INC.(SIA社)」において,トヨタ自動車の「カムリ」を2007年春ごろから年間10万台生産するための設備投資費を230億円計上している。このほか,最近の原材料高騰を受けて値上がり分として160億円を見込んでいるという。

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