Wi-Fi AllianceのFrank Hanzlik氏
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チップセットの出荷数は2010年に4億個にも達するという
チップセットの出荷数は2010年に4億個にも達するという
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 「無線LANはまだ始まったばかり。2005年に1億2500万個だったチップセットの出荷個数は2009年から2010年には4億個に達するだろう」(米Wi-Fi Alliance Managing DirectorのFrank Hanzlik氏)。

 無線LANの推進団体であるWi-Fi Allianceは2006年4月26日に記者会見を開催,最近の活動および今後の活動方針を説明した。冒頭のHanzlik氏のコメントにあるように,同団体は今後ますます無線LANが普及するとみている。その成長を支えると期待するのが,家電や携帯電話機のようなパソコン以外の機器である。現在活動しているいくつかの作業グループは,こうしたパソコン以外の機器に向けた複雑な設定を回避する技術や,携帯電話機での利用を想定した音声関連技術の開発に取り組んでいる。

 その代表例として紹介したのが,開発コード名を「Simple Config」と呼ぶ設定簡略化技術である。ここ数年,米Apple Computer, Inc.や米Atheros Communications, Inc.,バッファローなど無線LAN機器やチップセットを開発する企業が,セキュリティなど無線LANの設定を簡単にする技術を実装し始めているが,これを標準化しようという動きだ(Tech-On!の関連記事)。東芝やソニーなど日本の大手エレクトロニクス機器メーカーも参加しているという。2006年夏の相互接続試験を経て,2006年第3四半期中には認定プログラムを正式発表する。詳細はその際に明らかになるが,専用ボタンを備える機器を対象とした設定方法と,画面操作による設定方法の2種類の仕様を用意するという。前者は主に家電,後者は主にパソコンの利用を想定したものである。

 携帯電話機向けの活動として紹介したのが「WMC(Wi-Fi Mobile Convergence)」。Wi-Fi Alliance内に作業グループを設けており,技術面では通信性能を確保するためのRF性能の保証や,異なるネットワーク間のハンドオーバー端末が備えるべき機能などを規定し,相互接続試験を実施する。関係するメーカーや業界団体への働きかけも役割の一つという。