伝送システム全体
伝送システム全体
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上部が伝送側で,下部が受信側。間にあるオレンジ色のケーブルが1000BASE-SX。
上部が伝送側で,下部が受信側。間にあるオレンジ色のケーブルが1000BASE-SX。
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IPネットワーク経由で受信した映像を表示
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スーパーハイビジョンのデモは,観覧希望者で長い列ができた
スーパーハイビジョンのデモは,観覧希望者で長い列ができた
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 NHK放送技術研究所とNTTグループは,走査線の本数が4000本クラスのいわゆるスーパーハイビジョン(UDTV:Ultra High Definition Television)の映像をIPネットワークで伝送するシステムを開発,米ネバダ州ラスベガスで開催中のNABで,同システムを世界で初めて公開した。NHK技研は,開発したシステムを2006年5月25日から開催予定のNHK放送技術研究所 一般公開にも出展する予定。

640Mビット/秒まで1/40に圧縮


 映像コンテンツには,NAB会場の屋上に設置した専用のカメラからのライブ映像を使った。縦4320×横7680画素の映像コンテンツ(符号化速度は24Gビット/秒)を,MPEG-2の符号化システムで約1/40まで圧縮し,符号化速度640Mビット/秒のデータとする。このMPEG-2のトランスポート・ストリームをUDP/IPに変換し,光ファイバ利用の1Gビット/秒のEthernet(1000BASE-SX)を使って伝送した。

 今回はデモを目的にしているため1000BASE-SXの多モード光ファイバで数m伝送しているにとどまるが,この部分の伝送媒体やシステムを変更すればより長距離伝送が可能になる。符号化にはMPEG-2のHighプロファイルを使う。

 なおNHK技研などは今回,NABの会場でスーパーハイビジョンの映像を一般に公開した。日本では既に愛知万博などで一般公開していたが,米国での公開は今回が初めてという。今回のために,ニューヨークで新たに撮影した映像コンテンツを盛り込んだ。UDTVに関してはNABの関連雑誌でも大きな話題として取り扱われており,UDTVの公開デモにも多数の参加者で長蛇の列ができていた。