iVDRのタイプ別のロゴ
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iVDR規格の全体像
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 リムーバブルHDD装置「iVDR」の規格策定,普及促進団体である「iVDRコンソーシアム」は4月24日,同規格に関する最新状況の説明会を開催した。

 同コンソーシアムは,「SAFIA」と呼ばれるコンテンツの著作権保護機能に対応した「iVDR-Secure」のライセンス供与を2005年11月に開始した。ただし,その時点では地上デジタル放送推進協会(D-Pa)などからiVDR-Secureへのコンテンツ録画に対して承認を得ておらず,ライセンスを受けてもメーカーは製品化に踏み出せなかった。
 ようやく2006年3月に,D-PaとBSデジタル放送推進協会(BPA)が,SAFIAを「リムーバブル記録媒体へのコンテンツ保護方式」として認定したことによって,「iVDR-Secureの製品化に一歩前進した」(iVDRコンソーシアム)としている。

 iVDRには,通常のHDDと同様,ディスクを取り外せない機器内蔵型の「iVDR-Secure Built-in」タイプもある。これはiVDRに著作権保護機能と専用のコマンド体系を加えたもので,デジタルテレビやHDD録画機などへの搭載を想定している。
 従来,このタイプでは3.5インチ型しか規定されていなかったが,新たに2.5インチ型と1.8インチ型が規格化されたという。携帯機器やカーナビなどへの搭載を想定している。
 なお,著作権保護機能を持たない通常の「iVDR」と「iVDR-Secure」では,それぞれ2.5インチ型と1.8インチ型が既に規格化されている。これらに加えて,1インチ型の仕様が現在策定中であるという。

 日立製作所は今回の説明会で,iVDR-Secureを搭載する組み込み機器向けミドルウエアの提供を開始する,と発表した。評価用ボードに同ミドルウエアを搭載して提供したり,ソフトウエア開発キット(iVDR-Secure SDK)などを提供するとしている。
 
 iVDRコンソーシアムは,2002年3月に発足された。しかし,これまではアイ・オー・データ機器が外付け型HDD装置を発売したのみで,ほとんど製品化の事例はなかった。最近になって,デジタル放送の録画が承認され,ミドルウエアなども提供開始されることで,ようやく製品化に向けた動きが活発化する可能性が出てきた。