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携帯機器にもFPGAが続々と,QuickLogicが語る

  • 宇野 麻由子=日経エレクトロニクス
  • 2006/04/21 11:27
  • 1/1ページ
図1 米QuickLogic Corp. Logic Products DirectorのBrian Faith氏
図1 米QuickLogic Corp. Logic Products DirectorのBrian Faith氏
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 FPGAが携帯型の民生機器に採用され始めている。こうした市場に向け米QuickLogic Corp.は,待機時の消費電流が10μA以下と小さいFPGA「PolarPro」を2005年11月に発売した(Tech-On!関連記事)。動画再生機能を持つ携帯電話機や音楽プレーヤなどに向ける。来日した同社Logic Products DirectorのBrian Faith氏に話を聞いた。(聞き手:宇野 麻由子=日経エレクトロニクス)


——携帯機器に向けた低消費電力品を開発した理由は。

Faith氏 消費電力を抑えたいという顧客の要望があるためだ。ASSPやCPLDなども含め,様々なLSIで微細化によるリーク電流の増大や多機能化に伴って消費電力が増えている。米iSuppli Corp.の予測によれば,2008年にLSI市場は1100億米ドルを越える。そのうちの660億米ドルに相当するLSIについては,消費電力の増大が無視できなくなると言われている。FPGAも消費電力を抑える必要がある。

 我々はスイッチ素子にアンチヒューズ方式を採用しており,元々動作時の消費電力はASSPと同等なほど小さい。そこで,消費電力への要求が厳しい携帯機器に向け,待機時の消費電力を低減した「PolarPro」を開発した。PolarProにはVLP(very low power)モードを加えた。待機時の消費電力を10μA以下に抑える。従来品の待機時の消費電力は11mAだった。携帯機器は電池で駆動するため消費電力低減の要求が強いが,常に全体が動作状態にあるわけではない。例えば,ある携帯機器を調べたところHDDが駆動している時間は,MP3形式の音楽を再生している時間の0.2%,MPEG-4の動画を再生する時間の5.2%だった。携帯機器に搭載されるFPGAについても,待機状態になっている時間が多い。FPGAの待機時の消費電力を抑えることで,携帯機器そのものの電池駆動時間を延ばせると考えた。そこで,PolarProを開発した。

 詳細は明かせないが,既に民生用の携帯機器と医療用の携帯機器で,PolarProの採用が決まっている。採用を決めたメーカーは,実際にPolarProや我々の競合メーカー品に回路を実装して消費電力の差を試したようだ。

——なぜ今,FPGAが携帯機器に必要になるのか。

Faith氏 携帯機器の高機能化が一因である。例えば,携帯電話機はPDA機能やデジタル・テレビ機能を併せ持つなど,多機能化が進んでいる。HDDや無線通信モジュールといった周辺機器へのデータ信号を処理する回路が新たに必要になる。開発期間が短いことなどから,FPGAの方がASICなどよりも有利な場合もある。データ信号を処理するLSIは,入出力端子数が8~32,動作周波数が33MHz~166MHz程度,内部にデータをバッファするためのRAMを備える。これは,小規模~中規模のFPGAに相当する。我々の従来品が第3世代携帯電話用PCカードに採用されるなど,FPGAが携帯機器にも実際に使われ始めている。今回の製品で,FPGAを使いつつさらに消費電力を抑えたいという要望に応える。

——FPGAのパッケージは携帯機器に搭載するには,大きすぎるのではないか。

Faith氏 PolarProはシステム・ゲート数最大30万ゲート品まで8mm角のBGAパッケージに封止した。携帯機器であっても,8mm角や12mm角のLSIは一般に採用されている。米Microsoft Corp.などが提唱する携帯型パソコン「Ultra-Moble PC(UMPC)」のように多少大きい携帯機器であれば,17mm角でも載ると考えている。

——日本で注目する用途は何か。

Faith氏 携帯型のゲーム機と,ナビゲーション機能の付いた携帯電話機などの携帯型機器に特に注目している。また,日本メーカーは音楽や動画を再生できる多機能な携帯型端末,デジタル・ビデオやデジタル・カメラなどの分野でも強いと考えている。

図2 VLPモードでは,入出力端子の信号レベルやメモリの状態はそのまま維持する。図はオシロスコープで各信号を観測したもの。VLP信号(上)が「0」になったときに入出力信号(中,下)が止まり,VLP信号が「1」になると再び入出力信号が動く。VLPモードが解除されるとメモリなどを順次動作状態に戻していき,最後に入出力信号を復旧するため,時間に差が生じている。約250μ秒かかるという。
図2 VLPモードでは,入出力端子の信号レベルやメモリの状態はそのまま維持する。図はオシロスコープで各信号を観測したもの。VLP信号(上)が「0」になったときに入出力信号(中,下)が止まり,VLP信号が「1」になると再び入出力信号が動く。VLPモードが解除されるとメモリなどを順次動作状態に戻していき,最後に入出力信号を復旧するため,時間に差が生じている。約250μ秒かかるという。
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図3 他社のCPLDと消費電力を比べるデモンストレーションの様子。左端がQuickLogicのPolarPro「QL1P100」。1つ空けて順に米Xilinx, Inc.の「CoolRunnner-II XC2C384」と米Altera Corp.の「Max II EPM570GT」。QuikLogic社はこれらの競合製品を論理回路の規模としては同程度としている。デモでは,コンデンサを電源としてFPGAやCPLDのカウンタ回路を動作させ,カウントした回数を表示する。コンデンサの容量を使いきったところでカウントが止まるため,FPGAやCPLDが低消費電力であるほど,表示される数字が大きい。待機時の消費電力の差を見るため,途中で発振器を止めて待機状態にしてから再度動作させた。
図3 他社のCPLDと消費電力を比べるデモンストレーションの様子。左端がQuickLogicのPolarPro「QL1P100」。1つ空けて順に米Xilinx, Inc.の「CoolRunnner-II XC2C384」と米Altera Corp.の「Max II EPM570GT」。QuikLogic社はこれらの競合製品を論理回路の規模としては同程度としている。デモでは,コンデンサを電源としてFPGAやCPLDのカウンタ回路を動作させ,カウントした回数を表示する。コンデンサの容量を使いきったところでカウントが止まるため,FPGAやCPLDが低消費電力であるほど,表示される数字が大きい。待機時の消費電力の差を見るため,途中で発振器を止めて待機状態にしてから再度動作させた。
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