iPod用のオーディオ・システム
iPod用のオーディオ・システム
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 ポイント・ソース・オーディオ技術を開発する米Kentech Labs,Inc.は,米Apple Computer Inc.の「iPod」に向けた,点音源型スピーカーを開発した。( ホームページ)。

 筐体に3個のスピーカーとサブ・ウーファーを内蔵する。これらの組み合わせにより,「より自然音に近いリアルな音響再生ができる」(Kentech社)としている。価格は100米ドル前後の見込み。日本市場を含む全世界での販売を予定する。

 ポイント・ソース・オーディオ技術のスピーカーでは,ユーザーの聞く位置によらず自然音により近い広帯域再生が可能になるという。Kentech社は以前からケンウッドなどと共に同技術を応用したスピーカーを開発している( Tech-On!の関連記事)。以前は複数の個別部品によるモジュールを使っていたが,関連する処理回路をIC化することで低価格機種への展開を実現したという。2006年4月中旬に香港で開催した展示会で,iPod向けスピーカーとして出展した。

 OEM供給もしくは自社ブランドでの販売を目指す。同社は既に米量販店の RadioShack ブランドで,ポイント・ソース技術を使ったオーディオ・システムを発売し,これまでに累計5万台を出荷したという。iPod用のスピーカーだけでなく,2006年のクリスマス・シーズンに向けた新機種も開発中で,一部の試作品を2006年1月に米ネバダ州ラスベガスで開催された「2006 International CES」に出展していた。米XM Satellite Radio Inc.の衛星デジタル・ラジオ放送の受信機を内蔵した小型スピーカーなども発売予定である。このほか薄型テレビへの内蔵や,自動車内のオーディオ・システムへの応用も,複数の機器メーカーと共同で進めているという。なお,製造は中国で行っている。

 iPod用のオーディオ・システムに関しては周辺機器メーカーなどからの品種が増えているほか,Apple社自体も販売を開始している( Tech-On!の関連記事)。