アールエスコンポーネンツは,国内企業の技術者を対象に2006年7月に欧州連合(EU)で施行されるRoHS指令の対応状況について調査した。その結果,施行までに対応を完了するとした企業は,わずか4割にとどまることが分かった。

 調査は2006年3月8日に同社が開催した「RoHSセミナー」において,参加者である研究・開発や設計,生産技術,品質管理などに携わる技術者を対象に実施した。回答数は137人。所属する企業の規模としては,従業員200人以上が46.7%,51人~199人が20.4%,50人以下が32.8%である。

 RoHS指令への対応状況について,「既に対応を完了している」としたのは8.8%,「施行までに完了する」としたのが29.9%だった。すなわち,施行までに対応を完了するとしたのは38.7%にとどまる。

 RoHS指令が業務に影響しているかとの問いに対しては,59.9%が「影響は大きい」,36.5%が「少し影響がある」と回答した。

 RoHS指令の対応で苦労している問題点については,主に次のような回答があったという。「メーカーからの分析データの入手が困難」「顧客からの要望が多種多様で,具体的な対応策や手段が確立できない」「RoHS指令の情報が不足している」「対象になっている部品と,そうでない部品があいまい」「コスト増になる」。

 2006年4月7日に電子技術産業協会(JEITA)が開催した「JEITA鉛フリー化完遂緊急提言,その後の活動報告会」は,立ち見が出るほどの盛況ぶりだった(Tech−On!関連記事)。一時期に比べると,RoHS対応に伴う混乱が表面上は収まっているように見える。ただし,実際の対応現場での苦悩はやまないようだ。