松下電器産業は,無線機器の低消費電力化や小型化につながるポーラ変調技術を手掛けるベンチャー企業の資産買収に関する契約を交わした。

 契約を交わしたのは,米Tropian, Inc.である(松下電器産業の発表資料Tropian社の発表資料)。松下電器産業はTropian社の知的財産(IP)や技術ノウハウを得るとともに,今後はポーラ変調技術と自社の技術と組み合わせた無線半導体製品の実用化に取り組むという。Tropian社は,松下グループの海外における研究開発拠点として存続する。

 ポーラ変調技術は,振幅と位相に基づく極座標(ポーラ座標)を用いた変調技術である。これを利用すると,パワー・アンプを飽和動作させながら信号を振幅変調することが可能になる。パワー・アンプに高い線形性を要求する必要がないため,消費電力の低減につながるとされる。米Skyworks Solutins, Inc.や米Analog Devices, Inc.などが,EDGE方式対応の携帯電話機に適用する開発に取り組んでいることが知られている。