図1 Sony(China)社が開発した携帯型音楽プレーヤー
図1 Sony(China)社が開発した携帯型音楽プレーヤー
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 中国Sony(China)社は中国市場に向けた携帯型音楽プレーヤー「ウォークマンPシリーズ」を開発した(図1)。2006年4月下旬に中国で発売する予定である。記録媒体にNAND型フラッシュ・メモリを採用した。256Mバイト品と512Mバイト品,1Gバイト品の3機種で,価格は799元~1199元(約1万1600円~約1万7000円)である。

 Sony(China)社は中国の市場ニーズや特性を考慮した製品の企画,開発を目的として2005年4月にChina Design&Engineering Group(CDE)を設立しており,今回の携帯型音楽プレーヤーはCDEで開発した最初の製品である。中国市場の特性に合わせた製品を開発するために,CDEに在籍する技術者の多くは中国出身者が占める。従来は日本で設計,開発した製品を中国に輸出し販売していた。

 中国市場に向けて開発したウォークマンPシリーズは従来の日米欧向けの携帯型音楽プレーヤーにはない機能を盛り込んだ。具体的には静止画や歌詞の表示機能,音声録音機能などである。「いずれも中国では多くのユーザーが欲しがる機能」(ソニー 広報担当者)という。再生可能な音楽ファイルはMP3とWMAで,ATRACなどは再生できない。このほか,音楽ファイルをクリッピングしたり,パソコンから携帯型音楽プレーヤーに転送したりするのに使用するソフトウエア「Sonic Stage」には対応していない。
 
今回の製品は中国市場でのみの販売となる。今後,デジタル・カメラやテレビ,パソコンなど,中国市場に特化した製品をCDEで開発していくという。