サービスの概要を説明する夏野剛氏
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2つのサービスを用意
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「iD」は2006年度中に約15万台利用できるという
「iD」は2006年度中に約15万台利用できるという
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 NTTドコモは,「おサイフケータイ」機能を備える同社の携帯電話機のユーザーを対象にしたクレジット・サービス「DCMX」の提供を始める。2005年12月に同社がサービスを開始したクレジットのブランド「iD」に対応する。「iD」のマークが掲示されている店舗で,携帯電話機を専用の読み取り機にかざすだけで,サイン不要で買い物できる。通常のクレジット・カードと同様に,事前のチャージが要らない後払い方式である。

 サービスは「DCMX mini」と「DCMX」の2種類を用意する。DCMX miniは,月1万円までの利用が可能で,利用料金は携帯電話の料金と合わせて請求される。携帯電話機を読み取り機にかざす決済方式のみを前提にしたサービスで,入会費や年会費は無料である。2006年4月28日にサービスを始める。

 もう1つのサービスであるDCMXは,月々の利用可能額が20万円以上であり,VISAもしくはMasterCardのクレジット・カードが発行される。決済は,携帯電話機を専用の読み取り機にかざす方式のほか,クレジット・カードを利用した通常の決済が可能である。携帯電話機を利用する決済では,1万円以下の買い物の場合は,携帯電話機をかざすだけで支払いが可能であるが,1万円以上の買い物の場合は暗証番号の入力が必要である。キャッシングや分割払いなど,通常のクレジット・カードが備える基本的なサービスを提供する。利用額に応じたポイントは,携帯電話機の購入などに利用できる「ドコモポイント」として加算される。2006年5月下旬にサービスの受付を始める予定である。

 NTTドコモは,通常のクレジット・カードよりも入会の手続きが簡易である点をDCMXの優位点として挙げる。例えばDCMXの場合,iモードのDCMXのサイトにアクセスし,暗証番号を入力し,専用のアプリをダウンロードすればクレジット機能が使える。今後発売する携帯電話機の新機種には,DCMX用の専用アプリを標準で装備する予定という。

 発表会に登壇したNTTドコモ 執行役員の夏野剛氏は「ドコモに入社したときから,このサービスほやりたかった。このサービスをやるためにドコモに入社したといっても過言ではない。iモードやおサイフケータイの機能は,今回のサービスの下準備といってもいい」とし,力が入ったサービスであることを強調した。DCMXサービスの普及については具体的な数値を示さなかったが「iモードの普及と同じようなスピードで拡大させたい」(同氏)とた。