米Intel Corp.は3月29日,インドの農村地域での使用に最適化した,パソコンの新しいプラットフォーム「Community PC」を発表した。過酷な自然環境下でも安定して動作するように設計されているのが特徴だ。同社の調査によれば,インドの農村地域では,パソコンやインターネットを使いたいというニーズがあるものの,この地域の過酷な自然環境などが理由で,通常のパソコンでは安定して使えないことが多かった,という。

 そこで同社は,インドの都市部と農村部のデジタル・デバイドの解消を狙って,Community PCを開発した。
 具体的には,高温・多湿,かつほこりっぽい環境に耐えられる筐体をパソコン本体に採用した。さらに,本体の排気口に取り外し可能なほこり用のフィルターを装着したり,主基板に冷却用のファンを装備した。外気温が最高45℃,湿度は70~85%(相対湿度)の状態でも正常に動作する。 
 また,突然停電が起きても動作するように,UPS(Uninterruptible Power Supply)を組み込んだ電源を搭載する。消費電力は100W以下に抑えた。

 Intel社は,Community PCの多くは,インドの農村部によくある「インターネット・キオスク」に導入されると見ている。インターネット・キオスクは,地元の事業家によって運営され,電子政府のような機能を提供する場所だ。同社はインターネット・キオスクでの採用を進めるために,「Jaagruti(啓蒙という意味)」プログラムを実施する,としている。