ソニーは,家庭内ネットワークの規格「DLNA(Digital Living Network Alliance)」の拡張版をデジタル家電およびモバイル機器各種に積極的に採用することを決めた(Tech-On!の関連記事)。ソニーは現時点でも,テレビの「BRAVIA X」,パソコンの「VAIO」シリーズ,「ルームリンク」,「ネットジューク」といった製品にDLNA規格を対応させているが,今後は対応製品の幅を大きく広げる。「対応製品が本格的に出てくるのは,2007年になってから」(同社)という。

 DLNAは,2004年6月に「ガイドラインver.1.0」が策定され,2005年10月に初の認定製品も登場した。ただし,対応機器はテレビやパソコン,メディア・サーバーなど据え置き型の家電がほとんどだった。対応必須の動画像データ符号化方式にMPEG-2が規定されるなど,小型の携帯機器向けではなかった。

 ようやく規格が拡張されたのは2006年3月。プリンター,デジタル・カメラ,ビデオ・カメラ,携帯電話機などを想定した10種類の「デバイス・クラス」が追加された。さらに,MPEG-4RTP(realtime tranport protocol),無線LANの業界団体Wi-Fi Allianceが規定するQoS(サービス品質)の確保技術「Wi-Fi Multimedia(WMM)」などが利用可能になった。近距離無線通信のBluetoothもオプションとして加えられた。2006年半ばには,DRM(著作権管理技術)のガイドラインも公開される見込みである。

 以前,拡張版は「ガイドラインversion 1.5」になるとされていたが,「バージョンを変えると,互換性に対してエンド・ユーザーに誤解を与える」(ソニー)として,ver.1.0のままの拡張という格好になった(関連記事)。