センサ動作時の消費電流は6.7mA。
センサ動作時の消費電流は6.7mA。
[画像のクリックで拡大表示]

 旭化成マイクロシステムは,実装面積が4.5mm×4.5mm,高さが最大で1.0mm(設計値は0.9mm)と低い,加速度・地磁気センサ「AK8976A」を開発した(ニュース・リリース)。3軸の地磁気センサと3軸の加速度センサを1パッケージに収めた。他社の同等品は高さが1.5mmだった。携帯電話機やPDA,ゲーム機などの携帯機器に向ける。地磁気センサの標準測定分解能は1μT/LSB(least significant bit,A-D変換の最小単位),標準測定範囲は±2mT,加速度センサの標準測定分解能は0.02g/LSB,標準測定範囲は±2.8gである。サンプル価格は5000円で,2006年7月にサンプル出荷を開始する。量産開始は2006年末を予定している。3軸の地磁気センサ単体についても,AK8976Aと同じ地磁気センサを使って外形寸法4mm×4mm×0.7mmに小型化した「AK8973」を2006年冬に量産する予定である。

 主な用途としては,GPSを利用した歩行者向けのナビゲーション機能を持つ携帯電話機を想定する。地磁気センサで方位を検出する際に加速度センサを使って携帯電話機本体の向きを検出し,方位情報を補正する。方位は水平方向だが地磁気は水平成分だけでなく垂直成分もあるため,3軸の地磁気センサだけを搭載する携帯電話機の場合,利用者に対して携帯電話機を持つ角度を指定して水平成分の地磁気を計算していた。しかし,この方法では指定した携帯電話機の傾きと実際の傾きとの差により誤差が生じ,例えば緯度の高い欧州などでは地図が反転してしまうという問題があった。

 今回の製品は,地磁気センサと加速度センサをそれぞれ小型化できたことで実現できたとする。地磁気センサ部は,同社の3軸地磁気センサの従来品「AK8970N」に比べて体積を40%程度に抑えたという。加速度センサはMEMSメーカーの協力により小型品の提供を受けた。