ニューデリーの中心からクルマで15分ほどのところにあります
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なかなかシュールな光景です
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ごった返す店内
ごった返す店内
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見積もり表です
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街角のインク・カートリッジ再生業者
街角のインク・カートリッジ再生業者
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慎重に磨いていました
慎重に磨いていました
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 インドでさまざまなエレクトロニクス製品の小売店を回ってみて気づいたのが,パソコンの存在感の希薄さです。店頭ではほとんど見かけません。聞くと,パソコンを購入するのは企業がほとんどで,裕福層を除くと一般家庭にはほとんど普及していないのだとか。たしかに金銭感覚からすれば,日本で10万円のパソコンはインドの一般市民にとっては100万円に相当しますから,仕方ない気がします。「停電が多いから,パソコンを持っていても使える時間が短いんだよ。携帯電話機なら電池で動くからいつでも使える」という,冗談のような本気のような意見も聞きました。

 でも,そこで納得していては,はるばる取材に来た意味がありません。「インドの秋葉原」との異名をとる電気街,Nehru Placeに行ってみました。するとそこには,幅が100m以上あるような巨大な雑居ビルがいくつもあり,1階から3階くらいまでにパソコンや周辺機器を扱う店がぎっしりと入居しているではありませんか。中に入ってみるとまさに秋葉原のラジオデパートと見まがうばかりの雰囲気です。

 通りに面した1階には,SONYやTOSHIBA,IBMといったブランドを掲げた高級店が並んでいます。こうした店が主に扱っているのはノート・パソコンでした。ただし,お客はあまり入っていません。対照的に平日の昼下がりだというのに,大混雑だったのは2階にあるデスクトップ・パソコンの専門店です。店に入りきらないお客があふれている光景も目にしました。

 いったいいくらで買えるのでしょう。お客のふりをして店頭のお兄さんに見積もりをしてもらいます。扱っているのはインド・メーカーの製品ばかり。インドXenitis社の「Apana」という機種の場合,2.66GHz動作のPentium 4と256Mバイトの主記憶,80GバイトのHDD,DVD装置,Ethernetカード,15インチ型のCRTモニタといった組み合わせで,2万1000ルピー(約5万3000円)でした。日本の格安パソコンと比べたら割高感が。しかもOSはDOSとのこと。Windows Media Extensionを搭載すると,さらに4600ルピー(約1万2000円)高くなるそうです。

 パソコンと並んで目立っていたのが,プリンタ・カートリッジの再生業者でした。携帯電話機の修理店と同じように,露店でインクやトナーを詰めています。ビジネス・モデルの根幹にかかわるため,再生カートリッジには敏感に反応する大手プリンター・メーカーですが,インドまでは手が回っていないようです。大手メーカーの看板を掲げた店でも,堂々と再生サービスをしていました。