世界市場で急速にシェアを伸ばす韓国LG社
世界市場で急速にシェアを伸ばす韓国LG社
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西欧では,高速通信による映像のダウンロードが2006年に倍増すると見込む
西欧では,高速通信による映像のダウンロードが2006年に倍増すると見込む
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 「プラズマ・テレビやPDPモジュールのシェアは,もうすぐ世界首位に浮上するだろう−−」(LG Electronics Europe President&CEOのJames Kim氏)

 韓国LG Electronics Inc.は「CeBIT 2006」開幕に先立って開催したプレス・コンファレンスで,同社の欧州戦略の一端を明らかにした。

 現在,同社の世界市場における存在感は急速に高まっている。製品の売上高は,2001年の163億米ドルから,2006年には434億米ドルにまで高まった。現在同社の世界シェアは,CDMA2000端末,光ディスク装置,エアコン,ホーム・シアターの4分野で1位,プラズマ・テレビ,PDPモジュールで2位につけているという。特に欧州では,売上高の伸びは2003年から2005年で約2倍になるなど好調を維持している。2006年には,欧州市場で16%の成長を見込めるという。欧州市場での好調ぶりが,冒頭の自信にあふれた発言につながったのは想像に難くない。

テレビ事業はHDD搭載品を投入

 プラズマ・テレビや液晶テレビの分野では,80Gバイトのハード・ディスク装置(HDD)を内蔵してデジタル録画機能を組み込んだ製品を,2006年の戦略製品と位置づける。このHDD内蔵テレビを含め,従来の製品区分にとらわれない「デジタル・コンバージェンス」を実現した機器を積極的に投入したい考えだ。このほか,102インチ型の大画面プラズマ・テレビについても2006年中の製品化を示唆した。同社はCeBIT 2006に100インチ型の液晶テレビを展示する予定だが(Tech-On!関連記事),製品化時期など詳細についてプレス・カンファレンスでは言及しなかった

 DVDレコーダ事業では,DVDの記録規格すべてに対応する機種を主力製品と位置づける。規格争いが続く次世代光ディスクについては「Blu-ray DiscHD DVD,いずれの規格に対しても機器を投入したい」(Kim氏)と意欲をみせた。

携帯電話機はハイエンド品に注力

 携帯電話機事業では,低価格競争が激しいGSM端末市場を避け,今後市場が拡大する見込みのUTMS(W-CDMA)端末に注力する。欧州の市場調査の結果,カメラ機能に続いて欧州の消費者が望む機能として「インターネット・アクセス」「GPS機能」「音楽プレーヤ」の3つを挙げた。これに基づき同社は,高速通信が可能なUTMS/HSDPA通信機能を軸に,今後はハイエンド携帯電話機の開発にリソースを集中する「いわゆるブルー・オーシャン戦略を採る」(ドイツLG Electronics Deuschland GmbH, Director Mobile CommunicationのTor Nordli-Mathisen氏)という。すでに同社は,2004年第4四半期以降,欧州のUMTS端末でシェア1位を維持しているとした。