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「2006年中のSEDテレビの発売には反対」,東芝の藤井常務

2006/03/06 10:50
小谷 卓也=日経エレクトロニクス
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 「SEDは長い目で見ればいい」——。東芝のテレビ事業を統括する同社 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は,2006年2月28日〜3月3日に沖縄県で開催した「Global FPD Partners Conference(GFPC 2006)」の会場で, SEDテレビの市場投入を急ぐ必要はないという見解を示した。藤井氏は「今後数10年は,テレビ向けデバイスとして液晶パネル,PDP,有機ELパネル,SEDパネルの4つしかあり得ない」とし,現在,キヤノンの平塚工場の試作ラインで少量生産しているパネルを用いて急いで市場投入しなくても,東芝・姫路工場の量産ラインが立ち上がってからの市場投入で,十分にSEDテレビの存在感を示すことができるとした。

「PDP/液晶に対して10%〜20%のプレミア」

 当初,2006年春に発売予定だったSEDテレビの発売時期が大幅に延期されるのかについては「現段階では,まだ決まっていない」(東芝の藤井氏)とした。しかし藤井氏は,テレビ部門の立場として「2006年中の発売には反対している」という。その理由は,液晶テレビやPDPテレビの価格低下と性能向上が,当初の見込みを上回る勢いで進んでいることである。

 藤井氏は,SEDテレビの画質の可能性について「これに勝るものはない」と評価しており,販売価格については「PDPテレビや液晶テレビに対して,10%〜20%のプレミアを付けたい」とする。しかし,SEDが備える本来の画質の高さや,PDP/液晶に対して10%〜20%の価格差で発売するだけのパネルのコストを実現するには「平塚の試作ラインでは無理」(同氏)という。

 例えば画質については「2005年の『CEATEC』で披露した性能では不十分。あの表示能力でも,画質評価の専門家であればほぼ100%,SEDの方が優れていると評価するだろう。しかし,一般の消費者にとっては,画質向上が進むPDP/液晶との差がほとんど分からないはずだ。中途半端な段階で市場投入して,SEDテレビの価値を下げてしまうよりも,本来のSEDの画質を実現した時点で市場に投入したい」(藤井氏)と説明する。

「2010年時点でも液晶テレビが主流」

 姫路工場では,当初の見込みを上回るPDP/液晶の価格低下と性能工向上に対抗するため,「製造プロセスやパネルの構造など,見直しを図っている」(東芝の藤井氏)という。姫路工場は2007年に稼働予定であるが,藤井氏がそれからの市場参入でも遅くないと考えるのは「2010年の時点でも,現行の液晶テレビでカバーしているような画面寸法が主流である」と見るためだ。大型品に対する需要がより一層高まる2010年以降に,SEDテレビの大きな需要があると踏んでいるようだ。

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