旭テックは2006年2月28日,三菱ふそうトラック・バス(本社東京)の100%子会社である三菱ふそうテクノメタル(本社福島県二本松市)を株式取得により子会社化した。シリンダブロックなど自動車エンジン部品分野への進出が目的。この買収で旭テックはダクタイル鋳鉄製品分野で「業界2位」(同社)に浮上したという。

 三菱ふそうテクノメタルの子会社化で見込める効果として,旭テックは(1)自動車エンジン部品分野への新規参入(2)顧客ニーズに対応した製品提案の強化(3)高付加価値製品領域の拡大(4)開発・生産効率の向上(5)コスト削減による利益率の向上――という五つを挙げている。特に(1)に関しては,これまで三菱ふそうテクノメタルが手掛けてきたシリンダブロックやシリンダヘッド,クランクシャフトといった製品の生産を引き継ぐとともに,旭テックの販売網を活用し,売上高の拡大を目指す。

 今回,旭テックは三菱ふそうテクノメタル株式の66%(12万8000株)を総額30億円で取得した。三菱ふそうトラック・バスは継続して残りの34%を(6万6000株)を保有するが,この34%に関しても,今後36カ月以内に旭テックが取得することで同社と三菱ふそうトラック・バスは合意している。旭テックの株式取得と同時に,三菱ふそうテクノメタルは商号をテクノメタルに変更した。

 旧・三菱ふそうテクノメタルは,三菱ふそうトラック・バスの機械加工部品製造子会社で,自動車・建機・産機用の鉄鋳造品・鉄鍛造品・アルミダイカスト品の製造を手掛けている。