ソニーとNECは,両社の光ディスク装置事業の合弁会社「ソニーNECオプティアーク」の設立で本契約にすると発表した(ニュース・リリースTech-On!関連記事日経エレクトロニクス関連記事)。代表取締役社長に就任するのは,ソニー ビデオ事業本部 副本部長の山村真一氏である。同副社長にはNEC 第一ストレージ事業部 事業部長の市川栄一氏が就任する。常勤の取締役はこの2人で,このほかソニーから3人,NECから2人が非常勤の取締役に就任する。

 今回の合弁により,両社は技術面,販売面でのシナジー効果を狙う。具体的には,ソニーが得意とする光ヘッド技術,NECが得意とする信号処理LSIの技術を互いに持ち寄り,補完することを狙う。販売面では,ソニーが強い北米市場,NECが強い欧州市場で互いに補完する。ただし,光ディスクの要素技術の研究開発は引き続き親会社であるソニーとNECがそれぞれ担い,ソニーNECオプティアークはDVD装置の商品の開発,設計,製造,販売を担う。

次世代光ディスクは「中立的な立場」

 親会社であるソニーとNECは,次世代光ディスクについてそれぞれBlu-ray DiscHD DVDという異なる規格を推進している。これに対して,今回の合弁会社のスタンスは「両規格に対して中立的な立場を取る」(NEC 広報部)「市場の動きを見て新会社が判断する」(ソニー 広報センター)とする。NECは,DVD装置と並びHD DVD装置の製造・販売も新会社に移管することを明らかにしており,ソニーも同じくBlu-ray Disc装置を新会社で製造・販売するものとみられる。

 新会社の設立日は2006年4月3日。事業規模は,2004年度の両社の売上高を合算すると2200億円ほどになる。資本金は4億9千万円で,ソニーが55%,NECが45%を出資する。従業員数は約350人である。