日本から3通りの方法でフィリピンの携帯電話機に発信できる
日本から3通りの方法でフィリピンの携帯電話機に発信できる
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 VoIPを利用した国際通話サービスを手がけるフロンティアアソシエーションは,日本からフィリピンの携帯電話機に定額料金で電話をかけられるサービス「フロンティアコール」を開始する。フィリピンの携帯電話事業者であるGlobe Telecom Inc.と提携することで実現した。

 あらかじめ登録したGlobe社のGSM携帯電話機に日本から電話をかける場合に限り,7800円/月(1台登録)~1万4800円/月(5台登録)の定額料金を適用できる。ただし,1回の通話可能時間は15分である。2006年3月からサービスを開始する。

日本国内の定額パケット通信を利用しVoIP通話するオプションを用意

 日本から電話を掛ける際の方法は以下の3通りである。

  1. インターネット回線に接続した専用アダプタに電話機をつなぎ,電話機から発信する。
  2. 日本の固定電話あるいは携帯電話機から,フロンティアアソシエーションが用意するアクセスポイント経由で発信する。
  3. 携帯電話機にVoIPソフトウエアをインストールし,日本の携帯電話事業者の定額パケット通信サービスを経由して発信する。

 このうち,3.の定額パケット通信を利用したサービスは,「Nokia 702NK」などSimbian OSを搭載したボーダフォンの機種でのみ利用できる。フロンティアアソシエーションは,ボーダフォンから定額パケット通信を使う許可を得てから,3.のサービスを開始する見込みという。

 携帯電話のパケット通信を利用したVoIPサービスの例としては,ナムザック・ジャパンが2005年12月に開始した法人向けの定額通話サービス「Arrowfone」がある。今後,パケット通信を活用した定額制通話サービスのすそ野はますます広がりそうだ。

フィリピンではケータイ加入者数が固定電話の10倍

 フロンティアアソシエーションが同サービスの対象と見込むのは,国内に30万人近くいるとされる在日フィリピン人である。現行の国際電話の通話料は20円~40円/分ほどで,在日フィリピン人の平均国際通話料は月額3万円にのぼるという。フィリピンでは固定電話網やインターネット網が普及しておらず,Skypeのようなインターネット通話ソフトウエアは使いにくい。その代わりフィリピンで普及しているのが携帯電話である。現在の加入件数は3300万件で,固定電話の約10倍に及ぶ。このためフロンティアアソシエーションは,フィリピンの携帯電話機と通話できる定額サービスに高い需要があると見込んだ。