Skype社創業者でCEOを務めるNiklas Zennstrom氏(左)とHutchison 3G EuropeのChristian Salbaing氏
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i-mate社のPDA「JASJAR」
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HP社のPDA「iPAQ」
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 ルクセンブルグSkype Ltd.は,「3GSM World Congress 2006」の開催に合わせてモバイル分野への進出計画を発表した。「登録者数が7500万に達した2005年は,実はモバイルの開発に充てていた。2006年はモバイルを推進する」(同社)という。

 今回明らかにした戦略は3つの柱からなる。1つめが,携帯電話事業者との提携である。前回の同展示会を機に複数の通信事業者と交渉しているというが,今回は第3世代移動体通信(3G)による通信サービスを全世界で提供しているHutchison 3グループとの提携を明らかにした。

 同グループ傘下にある各国の通信事業者がSkype対応のソフトウエアを搭載する携帯電話機を提供する。これにより,ユーザーはパソコンと同じような操作方法で,Skype対応携帯電話機同士あるいはパソコン・ユーザーとの間で無料通話できるようになる。Skype対応ソフトウエアの提供形態は,あらかじめ端末に内蔵しておくほか,無線によるダウンロードや店舗経由の流通も想定している。対応OSとしては,Symbian,Linux,Windows Mobileなどを用意しているもようだ。

 まずはオーストリア,オーストラリア,香港,スウェーデン,英国,イタリアで実証試験を実施し,2006年中には正式にサービスを開始する。スウェーデンでは既に3Gのデータ通信用カードを使った無料通話サービスを提供済みだという。会見にはHutchison 3G EuropeのChristian Salbaing氏も登壇し,Skypeへの期待を「我々が全世界に抱える1100万の3Gユーザーの選択を広げるものだ」と語った。

 2つめの柱が,Pocket PCへの対応である。同OS上で動くソフトウエア「Skype for Pocket PC2.0」を発表した。これにより,同OSを搭載する携帯型情報機器(PDA)でもSkypeが使えるようになる。会場には,Skype for Pocket PC2.0を載せた米Hewlett-Packard Co.やアラブ首長国連邦(UAE)に本社を置くi-mate社のPDAを展示した。

 3つめの柱が,通信機器関連の販売網を持つデンマークDangaard Telecom A/Sとの提携である。欧州に3万4000以上あるという同社の販売店を通じてSkype公認機器を販売する。