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携帯電話機向けの無線LANチップセットが登場,待機時の消費電力は80μW

2006/02/06 13:01
菊池 隆裕=日経エレクトロニクス
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ベースバンド処理用のKS7010(黄色の円の中央)とRF処理用のKS3021(赤色の円の中央)
ベースバンド処理用のKS7010(黄色の円の中央)とRF処理用のKS3021(赤色の円の中央)
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 早稲田大学 大学院 国際情報通信研究科 教授の佐藤拓朗氏が興したベンチャー企業のキーストリームは,消費電力が小さい無線LANチップセットを開発した。2006年1月からサンプル出荷を始めており,サンプル価格は5000円。2006年4月には量産に移行する予定にしている。

 同チップセットは,ベースバンド処理用の「KS7010」とRF処理用の「KS3021」で構成する。無線LAN方式は,2.4GHz帯を利用するIEEE802.11gに対応する。

 チップセット全体の消費電力は,6Mビット/秒のビーコン信号を500msごとに受け取る場合(パワーセーブモード)で250μW,32kHz の外部クロックだけを供給する場合(スリープモード)に80μWと小さくした。「スリープモードの低消費電力化が,携帯電話機のような小型機器に特に求められている。今回の開発品の消費電力は競合他社の製品の中で最小」と同社はみている。このほか,データ送信時の消費電力は出力に応じて異なり,15dBm時に785mW,12dBm時に554mW。データ受信時の消費電力は340mWである。

 KS7010は,従来の同社製品と同様,32ビットのRISC型プロセサを採用している。無線LANチップセットの中には,機器本体のマイクロプロセサやマイコンを使うものもあるが,キーストリームではチップセット中のRISC型プロセサで通信処理して消費電力を抑えることにした。

 同社は,KS7010の外形寸法の正確な値を公表していないが, CSP(chip size package)で4mm弱だという。従来品は5mm角だった。小型化できたのは,90nmルールのCMOS技術を採用したからである。一般に90nmルールのCMOS技術を採用すると,リーク電流によって消費電流を抑えるのが難しいが,低消費電流のプロセスを実現したファウンドリを選択することで,待機時の低消費電力化を実現できたという。

 KS3021は,SiGeバイポーラCMOS技術で製造している。現状では同技術の方が,歩留まりが高いと判断したからだ。ただし,2006年中にはRF処理用チップにもCMOS技術を適用し,将来はベースバンド処理とRF処理を統合した1チップにしたいとする。

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