キヤノンの2005年通期(2005年1月~12月)決算は,売上高が対前年比8.3%増の3兆7541億9100万円,営業利益が同7.2%増の5830億4300万円と,増収増益だった。前年に過去最高の売上高と純利益を記録した同社は2005年,さらにそれを更新した。デジタル・カメラやカラー・プリンター複合機,液晶用露光装置などが売り上げを大幅に伸ばした。
デジタル・カメラなどを扱うカメラ事業は,売上高が対前年比15.2%増の8791億8600万円,営業利益は同32.8%増の1737億600万円と大きく業績を伸ばしている。利益率が上昇した理由について同社は,「一眼レフの好調というよりは事業の運営が適切だった」と説明する。「適切な時期に魅力ある製品を提供できた。在庫を抱えすぎることがなく,いたずらに値を下げずに済んだ」としている。同事業におけるたな卸資産の回転日数は,2004年末時点の40日に対して,2005年末時点で32日と短くなっている。デジタル・カメラの販売台数は対前年比20.7%増の1690万台,うち一眼レフ機は同46.2%増の190万台だった。2006年は1920万台(うち一眼レフ機が220万台)の販売を見込んでいる。
2006年も過去最高を見込む
同社の主力である事務機事業は,売上高が対前年比4.8%増の2兆5024億100万円,営業利益が同4.0%増の5420億2800万円と堅調だった。低価格機への需要のシフト,競争の激化などの減益要因があったが,コスト削減を進めるなどして利益率の低下を防いだ。
光学機器及びその他事業は,売上高が対前年比17.6%増の3726億400万円,営業利益が同34.6%増の388億2000万円と好調だった。液晶パネル・メーカーの積極的な設備投資を受けて,液晶用露光装置の売り上げが大幅に増加した。
2006年通期(2006年1月~12月)の業績予想は,売上高が4兆600億円(対2005年比8.1%増),純利益が4150億円(同8.0%増)である。予想を達成すれば,またも過去最高の業績を更新することになる。
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