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 工具や安全靴,製造ライン用リレーといった工場向け間接材の大手通販会社,住商グレンジャーが,納期短縮に向けて物流機能を拡大する。現在の1万5000点の商品在庫を,2007年初めに倍増した後,2008年中には5万点に拡張する計画。同社は在庫している商品について,午後3時まで注文を受ければ当日中に発送している。2006年1月10日に一部の既存株主向けに対し株式を発行し,11億5000万円を調達。これを物流センターや情報システムの拡張などに充当する。なお同社は,2006年2月1日に社名を株式会社MonotaROに改める予定である。

 住商グレンジャー 代表取締役社長の瀬戸欣哉氏に,物流機能を拡大する狙いや事業の状況を聞いた。

——WWWサイトで大量の商品を並べている理由を教えてほしい。

瀬戸氏  工場向け間接材は実に多種多様なので,購入者は欲しい商品がどこで売っているのかを見つけるのに苦労している。そこで当社は,WWWサイトに60万点の商品を掲載した。紙を使ったカタログ販売も手掛けているが,こちらは3万点に限られてしまう。今や注文の65%はWWWサイト経由になった。今後は在庫点数をどんどん増やすので,納期の面でも利点を感じてもらえるはずだ。
 こうした利点は中小企業の方にとって特に大きいはず。大企業に比べて間接材の納期や価格で不利益を被っていることが少なくない。これは末端の流通業者が,家族経営で在庫を抱えられる規模でないことや,流通経路が複雑なことに起因する。当社はWWWサイトやカタログで価格を公開している。取引条件に差はつかない。

——競合する企業はいないのか。

瀬戸氏 当社のように手袋から制御機器まで幅広い品ぞろえをしている企業はほかにない。敢えて言えば,製造ライン用制御機器や什器といった商品を専門に扱う通販会社や商社と競合しているが,これらにはコスト競争力で長期的に勝てると考えている。当社は幅広い商品を扱うので,1回当たりの受注金額を増やしやすい。この結果,注文金額に対する配送や事務のコストを減らせるからだ。2005年度(1月~12月)の売上高は,対前年度比5割増の約68億円。2004年第3四半期以降は営業黒字を計上している。顧客社数は現在,約12万3600社に達した