東芝は,米BNFL USA Group Inc.と英Westinghouse Electric UK Ltd.の株式取得について,両社の親会社である英British Nuclear Fuels plcから優先交渉権を得て交渉を開始した(発表資料)。両社が株を保有しているWestinghouse Electric Company LLCの原子力発電所事業の買収が目的である。国際入札の対象となっていた今回の案件には,一部報道で三菱重工業などが名乗りを挙げたとされていたが,最終的に軍配は東芝に上がった。

 Westinghouse Electric Companyは,欧米を中心に全世界で原子力燃料やPWR型(加圧水型)原子力発電所の建設,運転の事業を展開している。東芝は今回の買収を成立させて,原子力事業の世界展開を加速する考えだ。「PWR型原子力発電所事業に参入することで,東芝が現在行っているBWR型(沸騰水型)原子力発電所事業をはじめとする電力・社会システム事業全体とのシナジーが期待できる」(同社広報)としている。