電通国際情報サービス 製造システム事業部
ソリューション企画部
伊藤宗寿
設計一部の村上さんから,急な解析を依頼された佐藤さん。既に設計二部に頼まれた仕事があるため,設計一部の仕事はこのままでは受けられない。村上さんには,佐藤さんの上司である相馬課長と相談してもらうしかない(図1)。 | ●図1 |
部門の都合に板ばさみ
「仕事が一杯の時には,相馬課長に調整してもらっているんですよ。 なので,すみませんが,相馬課長に相談お願いしますよ」 「しょうがないなあ。分かったよ。うちの課長経由で相談するよ」 |
「佐藤君,どうしても今週中には無理なのか?」 |
「ええ,設計二部の解析が今週中なんです」 「そんなこと,聞いてないぞ」 「は,はい。すみません」 「そもそも,解析グループのミッションとしては,設計一部の解析を実施するのがミッションなんだよ」 |
「そんな議論は置いておいて,設計二部の仕事を調整しなくちゃいけないんだろ。すぐに設計二部の石井さんを呼ぼうよ」 |
「石井さん,おたくの解析依頼,来週じゃだめかな?」 「えっ,そりゃ困ります。結構定型的な解析として必ずやることになってるんですよ」 「それって,どういうこと?」 「つまり,設計の過程で熱解析をやったものでないと,設計承認しないことにしているんです」 「ということは,すべての設計モデルについて,必ず熱解析をやっているってこと?」 「そうです。そういうルールなんです」 「その出図はいつです?」 「来週です。だから今週中にとお願いしてたんですよ」 |
(さらに困ったことになったな。どちらもそれなりの言い分があるし。どちらかというと,ルールと言い切っている石井課長のほうが正しいような気もするけど…。で,結局僕は,どっちの仕事をすればいいんだろ?) |