液晶パネルを慎重に取り外す
液晶パネルを慎重に取り外す
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 アップルコンピュータが1月11日に発売した86系マイクロプロセサを搭載した新しいiMac(17インチ・モデル)を入手し,分解作業に着手した。液晶ディスプレイ・パネルの周りに張り付けられた黒いシールド・フィルムを剥がし,まず4本のネジを緩めて液晶パネルを取り外す。ちなみに液晶パネルは韓国LG.Philips LCD Co., Ltd.製。

 パネルを取り外すと内部の回路基板があらわになった。「うわぁぎっしりだね」と分解に参加しているパソコン誌の記者から思わず声が漏れる。液晶パネルの裏側に,電源回路,光ディスク装置,ハード・ディスク装置などが詰め込まれていたからだ。ここまでの作業を考えると,一般のユーザーがドライブ類の交換を行うのは難しそうだ。

 メイン・ボードは筐体のいちばん下に組み込まれており,9本ものトルクス・ネジを使って固定されていた。本体下部に位置するスピーカー・ユニットを取り外し,メイン・ボードを固定するネジを緩め,ケーブルを慎重に抜いてメインボードを取り外した。ケーブルの取り回しはかなり複雑で,セロファン・テープを使って固定されていた部分もある。周りからは「構成が複雑で組み立てミスが増えたり,コストが高くつきそうだ」という意見が出ていた。

 メイン・ボードは縦180×横330mm(いずれも最長部)とかなり大きい。複雑な形状なうえ,中央部には冷却ファンを取り付けるために大きな穴もあいている。ネット掲示板などでは「2月発売のノートパソコン「MacBook Pro」とボードが共通なのでは」という予測もあったが,サイズを考えるとあり得ないことがわかる。なお,ボード表面にはIntelの名はもちろんOEM元らしい署名もなく「APPLE」という刻印だけがあった。

■「日経エレクトロニクス・分解班の軌跡」のページへ

ディスプレイにつながる信号ケーブルはメインボードのコネクタに接続したうえで,さらにネジ止めしてあった(中央の黒いテープを貼ってあるコネクタ)。組み立て中や輸送中に抜ける事故が多かったのかもしれない。右下の黒いコネクタとケーブルはハード・ディスク・ドライブを接続するシリアルATAケーブル
ディスプレイにつながる信号ケーブルはメインボードのコネクタに接続したうえで,さらにネジ止めしてあった(中央の黒いテープを貼ってあるコネクタ)。組み立て中や輸送中に抜ける事故が多かったのかもしれない。右下の黒いコネクタとケーブルはハード・ディスク・ドライブを接続するシリアルATAケーブル
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液晶パネルは韓国LG.Philips LCD社製だった
液晶パネルは韓国LG.Philips LCD社製だった
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Intel iMacの内部。中央上から時計回りに,ハード・ディスク・ドライブ,光学ドライブ,メインボード,プロセッサ用のヒートシンク,電源回路。この状態では向かって左にヒートシンクと電源回路を冷却するファンが大きく見える
Intel iMacの内部。中央上から時計回りに,ハード・ディスク・ドライブ,光学ドライブ,メインボード,プロセッサ用のヒートシンク,電源回路。この状態では向かって左にヒートシンクと電源回路を冷却するファンが大きく見える
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メインボードを取り外すと冷却ファンが全部で3基あることがわかる。中央のファンはボード裏側に取り付けられたグラフィックス・チップとハードディスク,向かって右のファンは光学ドライブを冷却している模様だ
メインボードを取り外すと冷却ファンが全部で3基あることがわかる。中央のファンはボード裏側に取り付けられたグラフィックス・チップとハードディスク,向かって右のファンは光学ドライブを冷却している模様だ
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ハード・ディスクと光学ドライブにはそれぞれ温度センサーを貼り付けてある。米Texas Instruments, Inc.製の2線式温度センサーを使っている
ハード・ディスクと光学ドライブにはそれぞれ温度センサーを貼り付けてある。米Texas Instruments, Inc.製の2線式温度センサーを使っている
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ほかの部分に比べると,ハンダ付けの品質などが今一歩な印象を受ける電源回路の基板。インド系企業の製品のようで,基板には「Pb Free」の文字があった
ほかの部分に比べると,ハンダ付けの品質などが今一歩な印象を受ける電源回路の基板。インド系企業の製品のようで,基板には「Pb Free」の文字があった
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