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市場規模の予測
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 三洋電機は,720p(1280×720画素,30フレーム/秒)のHDTV動画と510万画素の静止画を撮影できるデジタル・カメラ「DMX-HD1」を2006年2月下旬に国内で発売する(ニュース・リリース)。DMX-HD1は,米国で発表した「VPC-HD1」と同じ機種で,民生用HDTV対応カメラとして世界最小,最軽量である(仕様についての関連記事有機ELパネルについての関連記事)。

 三洋電機の希望小売価格は12万6000円だが,実勢価格は「10万円以下になる見込み。米国では800米ドルと発表しており,日米で価格差を生じさせるつもりはない」(同社)。現在の為替レートは1米ドル=115円ほどなので,国内における実売価格は9万2000円前後になると考えられる。なお,今回の製品は記録媒体を同梱していない。容量2GバイトのSDメモリーカードの市販価格は現在,2万円ほどである。この容量で720pのHDTV動画を約43分撮影できる。

 肝心の画質に関しては,ソニーがヒットさせたHDTV対応のビデオ・カメラ「HDR-HC1」に「匹敵するとはいえない」(写真家でジャーナストの山田久美夫氏)。ただし三洋電機の製品は「本体が小さい。またパソコンにつなげて比較的簡単に編集できたりする。消費者が特徴をどう評価するかで売れ行きが変わるだろう」(同氏)。

【実機で撮影したHDTV動画】
 一旦お手元のパソコンにファイルを保存してから視聴してください。ファイルはMP4形式です。QuickTime Playerなどで再生できますが,大半のパソコンでは演算能力の不足によりコマ落ちが生じます。三洋電機が撮影。
動画赤ちゃん(30Mバイト,再生時間27秒)
動画少年(22Mバイト,再生時間19秒)

MPEG-4コーデックはISSCC 2005発表品


 今回の製品は,「プラチナエンジン」と呼ぶ画像処理LSIを搭載している。プラチナエンジンは,動画処理用と静止処理用の2チップで構成する。動画処理チップに集積したMPEG-4 Visualの符号化/復号化回路(コーデック)は,「ISSCC 2005」で発表したものを基にした。

 ISSCC 2005における発表(講演番号[7.2])によると,15個の動き検出器を並列に動作させてメモリへのアクセス回数を削減することで,符号化時の消費電力を120mWに抑えた。動作周波数は81MHz。設計ルールは0.13μmで,チップ寸法は5.6mm角である。

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