米Texas Instruments Inc.と大手国際株式投資会社Bain Capital, LLCは,TI社のSensors & Controls事業をBain Capital社に譲渡することで正式契約を結んだ。買収金額は30億米ドルである。

 Sensors & Controls事業は,米国マサチューセッツ州アテルボロ市に事業本部を置き,家電や冷暖房器具,照明器具,自動車,航空機などに向けてセンサや制御部品を供給している。年間売上高は約10億米ドルを超え,米国,欧州,アジアに計5400人の従業員を雇用している。なお,今回の売却契約には無線タグ事業は含まれず,同事業はTI社が引き続き手掛ける。

 TI社の社長兼CEOであるRich Templeton氏は,「今回の売却は有意義だ。当社としては,DSPやアナログ半導体事業に注力できる一方,Sensors & Controls事業にとっては,今後の事業拡大に必要な投資や戦略的資源の確保の道が広く開かれる」と話す。

 Bain Capital社は,大手多国籍企業の中核外事業を買収し,その経営陣,従業員とともに事業を確立するビジネス・モデルを得意としている。同社は今回の事業買収に関して,JP Morgan Chase & Co.から助言を受け,Morgan Stanleyグループ,Bank Of Americaグループ,Goldman Sachsグループから資金を調達する。売却は2006年上期中に完了する見通しだ。