Cellプロセサで復号化したHD映像を液晶テレビに出力
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展示内容を説明するパネル
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 ソニーが,Blu-ray Disc規格の映像ストリーム・データをマイクロプロセサ「Cell」を使って復号化し,液晶テレビに出力する実演を「2006 International CES」でひっそりと公開している。

 この実演はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が2006年春に発売する「プレイステーション 3」そのもので行っているわけではないようだ。しかし,プレステ3に採用するCellで動作するソフトウエアによって復号化を行い,同じくプレステ3に搭載するグラフィックスLSI「RSX」で高画質化処理や描画処理などを実行している。つまり,プレステ3で動作するBlu-ray Discプレーヤ・ソフトが,現時点でここまで出来上がっているということを示す実演といえる(Tech-On!の関連記事)。

 人気を集めそうな実演だが,同社のブースで大々的にうたっているわけではなく,映像を出力するための液晶テレビと,デモンストレーションの内容を説明するパネル1枚が置いてあるだけ。Cellプロセサなどのハードウエアも隠してあって見ることはできない。うっかりすると見逃しそうなくらいだ。

 ハードウエアや結線の様子などが分からないので,描画に用いているBlu-ray Disc規格の映像ストリーム・データを,実際に光ディスク媒体からBlu-ray Disc装置で読み取り,それを復号化しているのかについても明らかではない。しかし「Cellプロセサで復号化し,HDMIを介して液晶テレビに出力していることに間違いない」(ソニー)という。展示内容を説明するパネルなどによると,Blu-ray Disc規格の映像ストリーム・データから抽出したMPEG-2 VideoのMP@HLプロファイルの映像データを,ソフトウエア処理によって復号化していて,映像データのフォーマットは60フレーム/秒の1080p。

 なお,液晶テレビに出力していたコンテンツは,映画「SAYURI」と映画「Underworld Evolution」の映像であった。