電力線通信用ICなどを手掛ける米Intellon Corp.とイスラエルWisair Ltd.は,2006 International CESの近くに用意した会場で,HDTV時代の家庭内ネットワークに向けたデモンストレーションを実演している。行っているのは,高速電力線通信(PLC)とUWBを組み合わせた家庭内ネットワークの実演で,部屋間のネットワークはPLCで,部屋のコンセントとノート・パソコン間はUWBで接続して,HDTVの映像信号を伝送するというもの。両社は今回実演した家庭内ネットワークは,近い将来にコードレス電話,動画伝送,ゲームなど様々な用途に利用されていくと想定している。

 Intellon社が今回のデモに利用したのは,米国のPLCの業界団体「HomePlug Powerlineアライアンス」が策定した仕様「HomePlug 1.0」に互換性がある物理層とMAC層のチップセット「INT5500CS」。HomePlug 1.0の物理層での最大データ速度は13.78Mビット/秒であるが,INT5500CSでは独自に256値QAMなどの変調方式を採用することで,最大で85Mビット/秒を実現する。

 一方,Wisair社は,既に開発済みのUWBの業界団体の米WiMediaアライアンスの「Certified Wireless USB(以下,WUSB)」の仕様に基づくチップセットを組み込んだUWBアダプタを利用する(Tech-On!の関連記事)。データ通信速度は数mの距離で480Mビット/秒である。