超広帯域を利用する無線技術「UWB(ultra wideband)」用ICを開発する米WiQuest Communications,Inc.は,最大データ伝送速度が1Gビット/秒の送受信チップセットを開発,受注活動を開始した(PDF形式のニュースリリース)。

 米Intel Corp.などが推進する「WiMedia」の物理層およびMAC層の伝送方式に準拠しており,USB 2.0インタフェースを無線化する「Certified Wireless USB」に利用できる。WiQuest社は今回のチップセットを使った動作デモを,2006年1月5日から米ラスベガスで開催される「2006 International CES」で披露する予定。

 WiQuest社は,無線LAN規格「IEEE802.11」の標準化活動で知られるMatthew B Shoemake氏が中心となって設立したベンチャー企業で,UWB用チップの開発に取り組んでいた。ノート・パソコンやデジタル・カメラなど携帯機器のほか,テレビ受像機など据え置き型のデジタル家電機器などを相互に高速接続する用途に向ける。

 今回発表したのは,CMOS製の2チップ構成の製品。PHYおよびMAC層処理用の「WQST110」と,RFトランシーバICの「WQST101」である。53.3Mビット/秒~1Gビット/秒のデータ伝送速度に対応し,1Gビット/秒伝送時の伝送距離は最大5mとする。RFトランシーバICが対応する周波数は3.168GHz~4.752GHz。WQST110は12mm角で196端子のBGAに,WQST101は8mm角で56ピンのパッケージに封止する。評価用キット「WQST100EVK」も近々出荷する予定。なお今回のチップセットはWiMediaに準拠しているが,Certified Wireless USB 以外の無線インタフェースの利用も視野に入れる。