東京駅で電子ペーパーの実証実験,日立が来春の実用化を目指す
ジェイアール東日本企画と日立製作所は,電子ペーパーを利用した広告表示装置の実証実験を始めた。2005年12月1日から14日までの2週間,東京駅北口地下1階の「動輪の広場」に設置する。新たな広告媒体としての可能性を検証する狙いで,実証実験の期間中はニュースや天気予報,JR東日本からのお知らせ,東京駅の案内などを約5分間隔で切り替えながら表示する。「実使用の条件下で表示部などに何か問題が生じないか,一般の駅利用者や広告主にどのように評価されるのかなどを確認する」(ジェイアール東日本企画 交通媒体局 サインボード部 担当部長の山本孝氏)。
広告媒体として電子ペーパー技術に着目したのは,従来のディスプレイ技術よりも紙に近い視認性を実現できる点のほか,表示を書き換えるときだけしか電力を必要としないため,バッテリー駆動で長時間の駆動が可能になり,電源設備がない場所にも自由に設置できるなどの利点があるためという。実際,今回の装置はバッテリー駆動であり,設置のための電源工事などは一切行っていない。表示させるコンテンツは,東京駅近くの日立製作所のオフィスにあるサーバから,実証実験場所近くの売店に設置したアクセス・ポイントを経由して無線LAN(IEEE 802.11b)によってダウンロードして書き換える。
カラー品は2006年末にも
今回の装置は,日立製作所が開発したディスプレイ端末を6枚備える。このディスプレイ端末は,13.1インチ型の電子ペーパーのほか,駆動・通信回路,メモリ,バッテリーなどを組み込んだもの。端末1枚分の外形寸法は216mm×282mm×6mmで,重さは約500g。搭載した電子ペーパーは外部調達の「トナー泳動方式」(同社)のパネルで,画素数は1024×768。白黒の2値表示で,反射率は約40%,コントラスト比は10対1という。同社は具体的には明かしていないが,方式や仕様などからブリヂストンが開発を進める電子ペーパーとみられる。バッテリーは,1.2Vで1350mAhのポリマ型Liイオン2次電池を4個組み込んでおり,バッテリー寿命としては,通信の頻度にもよるものの約1000回の書き換えが可能であるという。
ジェイアール東日本企画は「広告主が付けば,すぐにでも実際の運用に踏み切りたい」(同社の山本氏)とするが,「カラー表示になり,画面寸法ももっと大きくならないと簡単には利用は広がらないだろう」(同氏)とみる。これに対し,ディスプレイ端末を開発する日立製作所は「2006年末〜2007年にかけてカラー品も実用化したい」(同社 情報制御システム事業部 交通システム本部 交通システム企画部 主任技師の鈴木薫氏)という。同社はまず,今回の装置に搭載した仕様に近い13.1インチ型前後で白黒表示のディスプレイ端末を2006年春に実用化し,幅広い用途展開を図る考えだ。












