6本の非圧縮映像を同時伝送
6本の非圧縮映像を同時伝送
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 2005年11月16日に開幕した「2005国際放送機器展(Inter BEE2005)」で,フジテレビジョンとNTT,NTTコミュニケーションズの3社は,6本の非圧縮HDTV映像を無線経由で伝送するデモンストレーションを見せた。放送局内などの番組制作現場での利用を想定したもので,今回のデモでは会場内外で撮影したHDTV信号を映像制御・編集システム「Camsat」を使って合成しながら,切り替えてみせた。

 今回の無線システムは120GHz帯のミリ波を利用する。具体的には,中心周波数が125GHzで116.5GHz~133.5GHzの周波数帯を利用する。伝送容量は10Gビット/秒あり,「1.5Gビット/秒の非圧縮映像を6本同時に流してもまだ余裕がある」(説明員)という計算だ。送信機の構成は,光ミリ波信号発生器で125GHzの光信号を生成し,映像データを重層する。この光データ信号をフォト・ダイオードで光電変換して送信する。

 今回のデモ・システムでは,HDTV対応カメラからHD-SDI経由で信号を入力,IP多重装置(NTTが開発した「i-Visto」)を介してミリ波送信機に10Gビット/秒の光信号を送出する。

 高い周波数を使うため,気象条件により影響を受けやすい。伝送距離は,晴天時には最大2km,雨天時には同600mを見込んでいる。

映像制御・編集システム「Camsat」
映像制御・編集システム「Camsat」
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120GHz帯無線システムのアンテナ
120GHz帯無線システムのアンテナ
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NTTのi-Visto
NTTのi-Visto
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