中央がGA1
中央がGA1
[画像のクリックで拡大表示]

 無線ヘッドセットなどを手掛けるワイヤレス テクノロジーは,米Apple Computer,Inc.の携帯型音楽プレーヤ「iPod shuffle」に向けた無線ヘッドホンを開発,2006年春をメドに発売する(ホームページ)。同種の無線ヘッドホンでは台湾メーカー製のモジュールを使った製品が多いが,ワイヤレス テクノロジーは専用のモジュール基板を自社で設計した。高周波回路設計の工夫により,無線伝送時の音質を向上させているという。2005年11月10日~11日にイーウィズユーが開催したイベントに動作品を出展した(ホームページ)。

 名称は「GA1」。無線送受信にはBluetoothを利用する。英CSR plc.の送受信IC「BlueCore3」シリーズを使った。利用したICはステレオ対応の音声コーデックを内蔵しており,無線ヘッドホンを実現する際の周辺回路の面積を削減できたという。電流容量が230mAhのLiイオン2次電池を内蔵し,約8時間の連続再生を可能にする。重さは20g以下になる予定。筐体の幅と厚みはiPod shuffleとほぼ同一で,長さを3/5程度にした。クリップをつけることで,ユーザーの胸元などに付けて利用することを想定する。

 現状はLiイオン2次電池を使って開発を進めているが,他種の2次電池の利用も検討しているという。「Liイオン2次電池の場合,継続使用で実利用可能な容量がかなり落ち込む。この結果1年程度で実利用時間が半分程度になる可能性もあると聞いている。これを解決する狙いで,まったく新しい2次電池の利用を検討中だ。米国の電池開発企業に,開発を依頼している」(ワイヤレス テクノロジー)。また形状の工夫により,iPod shuffle以外の機器での利用も可能にする予定である。なおワイヤレス テクノロジーは,クレスコが2005年10月に設立した子会社で,Bluetoothなど近距離無線技術に特化した事業を進めている。