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【等身大のチャイニーズワーカーを知る】第3回---定着率が低いなんてお門違い

海外進出コンサルタント 遠藤健治
2005/11/11 18:34
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 善し悪しは別として,日本を含む先進国では,高い学歴を持つ人や,付加価値の高い技術を持つ人材が優遇される傾向にあります。こうした傾向は中国でも同じです。経済が発展し,生活が豊かになるにつれて,高学歴の人や,高い専門性を備えた人がさまざまな場所で厚遇されるようになってきているのです。実際,将来に大きな夢と明確な志望動機を抱いた学生たちが,特に中国の都会にはあふれています。労働意欲に燃え,仕事に対してかなり高いモチベーションを持っているのです。

 ところが,そうした人たちは,全体のごく一部というのが現実です。だからこそ,優遇されるとも言えるでしょう。日系メーカーの中国現地工場で働く作業員に,これと同じことを期待するのは少々無理があります。

 かつて,私は中国に進出したある日本の中小メーカーに勤務していました。その中国現地工場で新入社員を採用することになり,私がその面接官を担当することになりました。募集したのは,工場で働く作業員5人。工場の門に「2日後に面接」という募集の紙を張り付けて,応募者を待ちました。(筆者注:この募集方法は地方によっては違法になるため,注意が必要です)。

何の会社?さあ?


 さすがに日系企業だけあって,なかなかの人気です。小さな工場であるにもかかわらず,当日は約20人の中国人が集まりました。早速,社長と私は1人ずつ面接を始めます。質問は至ってシンプル。彼らに「志望の理由」と「将来の夢」を聞き,あとは面接中の態度などを見るというものでした。

 ところが,面接を開始するやいなや,私たちは頭を痛めました。彼らが相当いい加減な気持ちで応募してきたことが分かったからです。まず,志望の理由に対する回答は,次の3パターンでした。

(1)日系企業だから,待遇が良いと思った。
(2)現在無職なので,何でもいいからとりあえず仕事に就きたかった。
(3)家で子供の面倒をみていても,近所の人と麻雀などをしていても刺激がなくてつまらなくなった。 

 将来の夢に対する回答も,次の2通りしかありませんでした。

(A)自分で商売がしたい。
(B)会社で偉くなりたい。

 少しぐらい風呂敷を広げた話でも聞けるかと期待していたのですが,皆がみな,あまりにもやる気のない回答ばかり。まさかとは思ったものの,念のために彼らにこう質問してみました。

「ところで,あなたはここが何をする会社で,あなたがここに入社したら,どんな仕事をするのか分かっていますよね?」

 この質問に,彼らは全員,戸惑うことなく「分かりません」「知りません」と返してくるのでした。なんと,彼らは自ら入社を希望しながら,その会社のことを何も知らないのです。

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