2005年11月8日に始まった「JavaOne Tokyo 2005」の基調講演で,NTTドコモ 執行役員 プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏は,現在米Sun Microsystems, Inc.と共同で進めている「*(Star) Project」について言及した。Star Projectは,次世代の携帯電話機向けJava技術であり,Sun社が2005年6月にサンフランシスコで開催した「JavaOne 2005」で発表していた。
夏野氏は「詳細はまだ決まっていない」としたものの,Star Projectの成果によって「使い勝手,パフォーマンス,開発しやすさ,企業向けアプリケーションとの親和性,セキュリティがいずれも向上する」という。同氏は続けて「現行のNTTドコモの携帯電話機向けAPI『DoJa』を継承し,オープン性を担保するものになる」とした。その結果として「あっと言わせることをやりたい」と意気込みを語った。
Sun社は,携帯機器向けのプラットフォームとして,現在のCLDC1.1/MIDP2.0にマルチメディア拡張機能などを追加したAPIセット「JTWI(JSR 185:Java Technology for the Wireless Industry)」から, 2006年には「MSA for CLDC(JSR 248:Mobile Service Architecture for CLDC)」,その先には「MSA for CDC(JSR 249:Mobile Service Architecture for CDC)」が登場するというロードマップを示している( Tech-On!の関連記事)。32ビット・マイクロプロセサや大容量のメモリなど,比較的大きなコンピューティング資源を使うことを前提としたものである。Star Projectもこのロードマップに沿ったものになるとみられるが,Sun社とNTTドコモは,今のところStar ProjectとJTWI以後のロードマップの関係については言及していない。
サン社長のMiller氏,「新規参入3社のうち1社がJavaを採用」
このほか,JavaOne Tokyo 2005の基調講演ではSun社の日本法人の代表取締役社長を務めるDan Miller氏が,携帯電話事業に新規参入するソフトバンク,イー・アクセス,アイピーモバイルのうち1社が,今後発売する携帯電話機にJavaを採用するとした。同氏は,それ以上の内容は明かさなかったが,この企業は近くJava採用に関して何らかの発表をするという。