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HOMEスキルアップマネジメント > 【等身大のチャイニーズワーカーを知る】第2回---親しき仲に礼儀なし

【等身大のチャイニーズワーカーを知る】第2回---親しき仲に礼儀なし

  • 海外進出コンサルタント 遠藤健治氏
  • 2005/11/09 16:50
  • 1/2ページ

連載の目次ページはこちら

 中国においてテレビ受像機の普及率がどれくらいか分かるでしょうか。中国では沿海部の都市と内陸部の農村とでは所得の格差が著しく,中国政府も頭を痛める社会問題になっています。一部には日本人が驚くほどの富裕層もいる一方で,多くの国民の年収は日本人よりもはるかに少なく,例えば工場の作業員の月収は1万円以下が普通です。こうした貧富の差を踏まえると,中国ではテレビ受像機は贅沢品だろうと考える日本人が多いのではないでしょうか。

 今から5年前の2000年のある日,私は日系メーカーの中国現地工場に勤める中国人の事務員と雑談している時に,中国のテレビ受像機の普及度合について知ったのです。

 その日の夕方,仕事を終えた私は,部下でもある2人の中国人の事務員と一緒に,工場の近くの市場へ買い物に出掛けました。日本人だけで行くと,店はいつも値段をつり上げることに気付いて以来,そうしていたのです。市場につながる路地を進んでいくと,小さな食堂の周りにたくさんの人が集まっているのが見えました。近づくとその真ん中にテレビ受像機が置いてあり,みんなが番組に見入っています。

テレビ1台と豚1頭の関係


 中国の街ではごくありふれた光景です。その光景を見ながら,私は何気なく事務員の厳さん(仮名)に,彼女の故郷について尋ねてみました。彼女は地方の農村地帯の出身でした。

「厳さん,あなたの故郷でも,あのようにみんなでテレビを見るのですか?」
「はい。私の実家の居間にテレビが1台あって,夕食を終えると隣近所の人たちや,親戚が集まってきて,みんなで一緒に番組を見ていますよ」
「へえ。厳さんの家って,お金持ちなのですね」
「えっ,どうしてですか?」
 彼女は驚いて,目を丸くさせて私を見つめます。
「だって,みんなが集まって見るテレビを買えるということは,結構裕福なのでしょう?」

 私は,なぜか「街頭テレビ」が流行ったころの日本を思い浮かべていました。あのプロレスラー「力道山」が,米国人レスラーを相手に「空手チョップ」をバシバシ決めていたころの光景です。もちろん,リアルタイムでは知りません。そのずっと後に,戦後の日本を紹介するテレビ番組で目にした光景です。当時,日本の一般家庭には高価なテレビ受像機を購入する経済力はなかったため,お金持ちの家や店先に置かれた1台のテレビ受像機を,みんなで取り囲むようにして見ていました。

 私の言葉を聞いて,厳さんはさらに驚いた顔で返します。
「冗談でしょう? 今は誰の家だってテレビくらいありますよ」
「えっ,本当ですか?! だって,テレビって結構高いじゃないですか」
「確かに,数年前はそうでしたが,今では数百元(5000円以下)で買えますよ。それぐらいのお金なら,豚を1頭売れば,すぐに手にできますし」

 豚1頭がテレビ1台に変身するなんて,私にはなかなか想像しにくかったのですが,中国においてテレビ受像機の普及率が高いことはよく分かりました。実は,中国のテレビ受像機の普及率は,特に辺鄙(へんぴ)な地域を除くと現在95%を超えています。

 ということは,ほとんどの家庭にはテレビ受像機があるということです。では,なぜ中国人はわざわざ一カ所に集まってテレビ番組を視聴するのでしょうか。

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