コニカミノルタホールディングスの中間決算(2005年4月~9月)は,売上高が対前年同期比3.3%減の5175億9800万円,営業利益が同21.2%増の394億800万円と,減収増益だった(発表資料)。オプティカル・コンポーネント事業やメディカル&グラフィック事業の好調,フォト・イメージング事業の赤字圧縮などにより,営業利益が増加した。ただし,フォト・イメージング事業の縮小に伴う費用を計上したため,34億8200万円の純損失を計上している。

光ピックアップ,ようやく回復

 オプティカル・コンポーネント事業は,売上高が対前年同期比13.2%増の525億4800万円,営業利益が同9.9%増の79億1400万円と好調だった。光ピックアップ・レンズ事業は,2004年夏からデジタル家電メーカーの生産調整を受けて低迷していたが,「長引いた調整局面もようやく回復傾向を見せ始めた」(同社広報)。販売数量は前年同期に近い水準まで回復したという。液晶偏光板用保護フィルムなどの液晶材料や,デジタル・カメラなど向けレンズ・ユニットも好調に推移した。メディカル&グラフィック事業も,医療分野向けデジタル入出力機器の販売が国内外で好調に推移し,売上高が同19.2%増の848億8200万円,営業利益が同45.4%増の62億7100万円と増収増益だった。

 フォト・イメージング事業では,銀塩感材事業の縮小やデジタル・カメラの販売機種の絞り込みなど,事業のスリム化を進めている。こうした取り組みの結果,売上高は対前年同期比25.4%減の1113億3200万円となったものの,営業損失は前年同期の約40億円から約7億円へ,赤字幅を縮小した。今後も一眼レフ機を中心とした事業展開を行うとしている。

通期予想はリストラ費用で下方修正

 同社は,フォト・イメージング事業の縮小に伴う費用を理由に,通期の業績予想を下方修正した。前回予想では1兆1300億円としていた売上高は1兆500億円(対前年度比1.6%減),800億円としていた経常利益は600億円(同11.9%増),230億円の黒字を見込んでいた当期純損益は470億円の赤字へ,それぞれ修正している。

 コニカミノルタでは中期計画の中で,フォト・イメージング事業の縮小に関して,2005年~2008年の4年間に340億円の特別損失を織り込んでいたが,需要減退のスピードが計画当時の予想を上回ったため,これに合わせて縮小計画を前倒しするとともに,当初予定の生産部門だけでなく開発,販売部門についても縮小することに決めたという。生産設備の減損や生産拠点の再編で270億円,販売体制の再編や人員の合理化で630億円,合計900億円を構造改革費用として計上する見込み。グループの従業員3万3000人のうち1割程度を削減する予定だ(Tech-On!関連記事)。

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