第2四半期決算について報告するソニー 執行役 EVP 兼 CFOの大根田伸行氏
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製品カテゴリー別の売上高と営業損益
製品カテゴリー別の売上高と営業損益
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 ソニーは2005年度第2四半期(7月1日~9月30日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期からほぼ横ばいの1兆7030億円,営業利益は同51.9%増の659億円,純利益は同46.5%減の285億円となった。営業利益には,ソニーが運用してきた厚生年金基金の代行を国に返上したことによる735億円の利益が含まれる。

ビデオ・カメラの営業利益は14倍に

 エレクトロニクス分野の営業利益は,対前年同期比144.6%増の173億円と大幅な増益だったが,このうち639億円は厚生年金基金の代行返上益によるもの。実質的にエレクトロニクス部門は営業赤字に終わった。売上高は前年同期から微減の1兆2161億円である。

 製品別ではビデオ・カメラが好調で,同社が2005年7月に投入したHDTV対応のビデオ・カメラ「HDR-HC1」や,記録媒体にDVDを使うビデオ・カメラが貢献した。営業利益は前年同期の15億円から214億円に伸びた。テレビは液晶テレビが増収減益,CRTテレビが減収減益で,営業損益は377億円の赤字だった。このほか,半導体はCCDの単価ダウンやプロセス開発費用などが響き,営業損益は197億円の赤字となった。

 ゲーム分野はPSPがハードウエア,ソフトウエアの両面で大きく貢献して増収増益だった。売上高は対前年同期比79.1%増の2142億円,営業利益は前年同期の損益ゼロから82億円の利益を計上した。PSPの出荷台数についてはソニー・コンピュータエンタテインメントが全世界で累計1000万台を突破したことを2005年10月21日に発表したが,このうち第2四半期の実績は375万台。ソフトウエアの生産本数は900万本だった。

 このほか,映画分野は「ステルス」の劇場興行が不振だったことから売上高は対前年同期比17.2%減の1589億円,営業損益は66億円の赤字だった。

業績見通しに変更なし

 2005年度の連結業績見通しについては,2005年9月22日の発表から変更はない。追加の構造改革費用を反映して売上高は7兆2500億円,営業損益は200億円の赤字,純損益は100億円の赤字を見込んでいる。下期については「相手がどういう商品で,どういう値段構成をとってくるか。相手の出方を見ていきたい」(同社)と慎重な姿勢を崩さなかった。

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