日立金属は,変圧器の鉄心に最適なアモルファス金属「高飽和磁束密度アモルファス金属2605HB1」を開発した。従来の鉄系アモルファス金属材料「2605SA1」と比べて,磁束密度が高く鉄損が小さい上,変圧器に採用したときに騒音を低減することができる。既に,日立産機システムがこのアモルファス金属を使った,従来より小型で低損失・低騒音の次世代アモルファス変圧器の開発に成功している。

 新しいアモルファス金属と従来のアモルファス金属それぞれの飽和磁束密度と鉄損は,前者が1.64Tと0.063W/kg(測定条件:f=50Hz,Bm=1.3T),後者が1.56Tと0.07W/kg(同)。新しいアモルファス金属の飽和磁束密度は5%向上し,鉄損は10%低減したことになる。これにより,産業用や電力用などの変圧器の鉄心に採用すれば,小型・軽量化が図れて据付面積を削減できる。日立金属と日立産機はそれぞれ,2006年度にサンプル出荷を開始する。