次世代無線LAN「IEEE802.11n(以下,11n)」の草案作成に向けて,米Apple Computer,Inc.やソニー,東芝などが2005年10月10日に業界団体「EWC(Enhanced Wireless Consortium)」を結成したが(Tech-On!のEWC関連の記事),結果として現状では,11nの草案は2種類のものが並び立っていることが明らかになった。

 11nの草案作りでは,従来「TGn Sync」と「WWiSE」という2つの業界団体が主導権争いを展開していた。2005年7月以降,2つの草案を統合する方向で進み始めていた。しかし,統一仕様に「映像を安定的にストリーミング伝送するテレビ向けの機能を入れるかどうかなどの点で最後まで折り合いが付かなかった」(EWCに参加するあるメーカーの技術者)ことなどから,EWCが独自の仕様を提案したという。米Airgo Networks,Inc.など従来の統一仕様案を支持する企業もあり,企業の顔ぶれは従来と異なる形で,草案が再び2つに分裂することになった。


【お詫びと訂正】当初の記事で「Airgo社などが新団体を結成する」とあったのは,正しくは「Airgo社がこれまでの統一仕様案を支持する企業間で連携を図っていく方針」です。ご迷惑をおかけした関係者の方には深くお詫びして訂正致します。